■「ケンチョピア」どこへ行く? 待ったなしでも移転先決まらず【徳島】(徳島県)
県庁前に、多くのプレジャーボートが係留されているケンチョピア。
水の都・徳島を象徴する景観として、県民にはおなじみですよね。
しかし、このケンチョピア、実は移転することが決まっていて、それなのに移転先が決まらないままなんです。
一体どういうことなのか。
現状を取材しました。
徳島市には、吉野川をはじめ大小134もの河川が流れています。
なかでも、県庁前の新町川には、何艇ものプレジャーボートが係留された「ケンチョピア」があり、水都・徳島を象徴する景色が広がります。
冬の夜には、ボートにイルミネーションが点灯され、クリスマスムードが感じられる人気のデートスポットにもなっています。
そんな徳島を代表するスポットの一つとして、多くの県民から親しまれているケンチョピア、しかし一方で課題も抱えています。
(県港湾政策課・村上宗用 課長)
「令和6年1月の能登半島地震によりまして、津波によって漂流船による町中へのダメージ」
「船舶が漂流して町中に近い船というのは、緊急輸送道路の上にあがったりであるとか」
「橋梁にダメージを与えたり、町中に損傷を与える二次被害があります」
「そういったものを、事前に防いでいこうということで」
「ケンチョピアに係留している船舶を、どこか下流の方に持って行く必要がある」
能登半島地震での教訓を踏まえ、ケンチョピアは移転の必要性に迫られています。
このため県は、2025年度から有識者による検討会を立ち上げ、移転先を含めた恒久的な係留施設の在り方についての議論をはじめました
もうひとつの移転の要因が、ケンチョピアから下流へ約150メートルの場所に、県が建設を計画している仮称・万代橋です。
橋桁が開閉する可動橋ではなく、平面橋で整備される方針が決まっていますが…。
(県港湾政策課・村上宗用 課長)
「ヨットとか(マストが)高いものというのは、橋の下をくぐれなくなるので」
「今停まっているヨット、プレジャーボートは、停められなくなってくるのではないかと思っています」
もはや、移転待ったなしともいえるケンチョピア。
とはいえ中心市街地にあるケンチョピアは、係留を希望する人も多い人気の施設でもあります。
(県港湾政策課・村上宗用 課長)
「徳島市内の中心市街地活性化とかいったものもふまえて、町中から万代中央ふ頭まで一体的に」
「どういった町づくりをしていくか、水域だけでなく陸域の背後地も含め」
「どのようににぎわいづくりとか、歩いて楽しめる町づくりとか、そういったものを考えていくか、今議論している」
では一体どこに移転するのか、そしていつ移転するのか。
(県港湾政策課・村上宗用 課長)
「徳島県の係留施設検討会の方にも、ヨット関係者とか有識者も含めて、一緒にこれから議論をしていこうという中で」
「ヨット関係者の意見というのも、これから聞いていきたいと考えている」
「できるだけ早く設置場所や規模感を決めてもらえたらと思います」
「県としましても、南海トラフ巨大地震を控えている、できるだけ早く係留施設の検討場所を決めていけたらと思います」
関係者に話を聞いても、具体的な場所や時期は一向に出てきません。
それでも万代橋や南海トラフは待ってはくれない、まちづくりだってそれこそ「待ったなし」のところへ来ています。
どうなるケンチョピア、ケンチョピアよ、どこへ行く。
検討会は2025年度、あと2回ほど会合を開き、2025年度中にも移転先を決めたいとしています。
(09/02 18:18 四国放送)
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