■サイバー犯罪最前線! 複雑化する手口に県警は人材育成で対処【徳島】(徳島県)
近年複雑化するサイバー犯罪、その相談件数は県内でも増加傾向にあります。
金銭をだまし取られるなどの犯罪から、県民を守るための県警の取り組みと、複雑化する犯罪手口を取材しました。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「こんにちは、県警本部サイバー戦略推進課の柘原です」
「本日はサイバー戦略推進課をご案内いたしますので、どうぞ」
県警本部サイバー戦略推進課の、柘原勇人警部46歳です。
大学を卒業後、10年以上IT系の企業に勤めていた柘原さんは2013年、サイバー捜査官として県警に採用され、2025年度から後進の指導などに当たる「人材育成係」を務めることとなりました。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「人材育成の計画を立てたり、警察学校に行ってサイバーに関する教養をしたりとか」
「日によっては人材育成係といえども、事案対処などもしている」
「今、サイバー犯罪っていうのは、すごい増えてまして」
「これからますます深刻化していくっていうのが、予想されています」
「それに対して、われわれ組織として一層人的基盤を強化しなければならないと」
「戦略的に計画的にサイバー人材を育成していこうというので、新設するに至った」
2024年、県内で発生したサイバー犯罪の相談件数は2555件と、過去最多となっています。
相談のうち最も多かったのが、詐欺や悪質商法などの相談で、続いて多かったのが、クレジットカードの不正利用や迷惑メールによるものです。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「(増加理由の)1つがスマートフォンを使う人が増えたということ」
「それからもう1つが、インターネット上で社会経済活動が営まれるようになって」
「ネット上でどんどんお金が動いている」
「今までは、現実世界で人をだましてお金をとるっていうのが、多かったんですけども」
「犯罪の現場がインターネット上に移ってるっていうのが、1つあるかなと思います」
「被害に遭わないために私が思うのは、手口を知っていただきたいと」
増加傾向にあるサイバー犯罪。
その手口はどのようなものか、実際に体験してみました。
まずは、近年増えているエラーメッセージから誘導する「サポート詐欺」です。
(サポート詐欺 体験サイト)
「偽の警告画面は、パソコンがウイルスに感染したというメッセージを表示したり…」
(記者)
「画面の中に、次々と警告のサイトが表示されました」
「クリックしても反応ができません」
「実際、サポートセンターに電話をかけても大丈夫なんでしょうか?」
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「ちょっと待ってください」
「これがサポート詐欺の手口です」
電話を受けた犯人は警告画面や、ウイルスからユーザーを守るという名目で、遠隔操作アプリをインストールさせます。
その後、サポート料として金銭をだまし取ったり、個人情報などを盗みとるといった手口です。
他にも、近年増えている手口で有名なのが「偽サイト」です。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「この偽ショッピングサイトで商品を注文しても届かない」
「または、注文した物ではない商品が届く、というのが手口になります」
「注目していただきたいのがこの価格、これって極端に安くないですか」
(記者)
「5000円ほど割引かれてますね」
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「通常のショッピングサイトだと、この商品をこの価格で売ることは多分ないですよね」
「この時点でちょっと怪しいと思っていただきたい」
「それから、日本語のサイトにも関わらず、不自然な(言語が)入ってしまっている」
「これも偽ショッピングサイトの特徴の1つですね」
この「偽サイト」。
柘原さんによると、一目で見破れる方法があると言います。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「画面の上部にあるURLの最後の文字列に、注目していただきたいんです」
「通常日本のサイトだと「.jp」で終わるサイトが多いんですけども」
「このサイト「.xyz」とあまり見ないような文字列のURLになっていますよね」
「これも偽サイトの1つの特徴というか、偽サイトに使われやすい文字列になっていまして」
「ここにも注目していただきたいと思います」
このような犯罪から県民を守る、サイバー人材を育てるため設置された人材育成係。
柘原さんをはじめ、4月から5人が着任し、活動を続けています。
また、個人のレベルを測る指標の1つとして「サイバー事案対処能力検定」を毎年、実施しています。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「検定は初級 、中級、 上級とありまして」
「初級は県警の職員ほぼ全員が持っているんですけども」
「中級に関しては15パーセント程度、上級に関しては1パーセント程度となっていますね」
「非常に難しい試験です」
交通課からサイバー戦略推進課に異動し、レベルアップに励む警察官は。
(県警本部サイバー戦略推進課・西浦伸哉 巡査部長)
「今まではできなかった、スマートフォンの解析だったり」
「SNSの捜査であったり、サイバー犯罪捜査の技術だったり」
「また国家資格にも合格することができました」
「今後交通課に戻った際にも今、交通の事件捜査でもスマートフォンの解析だったり」
「SNSの追跡の捜査であったり、サイバー犯罪捜査の知識が求められると思いますので」
「そういった面で役に立つと思います」
時代とともに複雑化していくサイバー犯罪。
それらに対処・防止するため求められる使命とは。
(県警本部サイバー戦略推進課・柘原勇人 警部)
「今現在、サイバー犯罪がすごい増えてますけども」
「被害に遭わないための対策、そして被害に遭ったとしても」
「しっかりとサイバー犯罪捜査ができるような人材を育てていきたいと思っています」
「これから県民の皆さんのために、頑張っていきたいと思います」
サポート詐欺や偽サイトなどを発見した際は、県警のサイバー犯罪相談ダイヤル(088)622ー3180まで。
(04/16 18:45 四国放送)
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