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秋ナスが「ぼけナス」に 記録的な猛暑で異変【徳島】 (徳島県)



9月4日は、雨で暑さは一旦おさまっていますが、3日までは記録的な猛暑が続いていましたね。

9月に入っても続いていたこの暑さ、様々なところに影響を及ぼしています。

■夏の思い出は?

(佐々木気象予報士)
「こんにちは、夏の思い出を聞こうと思って」

(街の人)
「夏の思い出って、暑かっただけ」

(佐々木気象予報士)
「暑さを乗り越えるために、何かしました?」

(街の人)
「バーベキューしたぐらい」

(街の人)
「できるだけ睡眠をきっちりとるようにはしましたね」

(佐々木気象予報士)
「夏の思い出ありますか」

(街の人)
「ありますよ、魚釣りに行って楽しいしね、よく釣れるし」

(佐々木気象予報士)
「今年暑かったと思うんですけど、家におる時って」

(街の人)
「クーラーしてますよ、朝から晩まで消すわけにいかんもんね、暑いと。異常」

■県内有数のナスの産地に「異変」

阿波市は県内有数のナスの産地で、その出荷量は県内の半分以上を占めています。

「嫁に食わすな」とまで言われる秋ナス、阿波町にある湯藤哲也さんの約10アールの畑では今、その秋ナスに異変が起きています。

■1〜2割が「ぼけナス」に…

(ナス農家・湯藤哲也さん)
「これは『ぼけナス』っていう、農協では出荷できない部類に入ってしまうんで」

「ぼけナス」とは、水不足の影響で外側の色が薄くなるナスのこと。

同じ日にとれたものと比べるとツヤがなく、くすんだ紫色に見えます。

高温にさらされることで水分が蒸発し、色あせたり表面がでこぼこしたりするそうです。

(ナス農家・湯藤哲也さん)
「上からの高温がすごいんで、気をつけていても、1〜2割くらいは『ぼけナス』になってしまいますね」

収穫後はできるだけ時間を置かず作業場へ運び、表面に傷がないかなどをチェックします。

すると…。

(ナス農家・湯藤哲也さん)
「畑ではちゃんとツヤがあって、きれいな色ツヤなんですけど」
「こっち(作業場に)持って帰ってきて作業している間に、温度でだんだんぼけてくるというか」
「こっちはツヤツヤしとる、ここら辺がだんだんぼけて、くすんでくる」

(佐々木気象予報士)
「こういうのを見て、どんな気持ちですか」

(ナス農家・湯藤哲也さん)
「腹立ちますけど」
「(自分の)水の管理もあかんかったんかな、毎年毎年なんかやり方を変えていっている、正解が読めないというか」

ナスづくり10年の湯藤さんでも、頭を悩ませる日々。

■県が「高温対策」の実証実験

こうした事態を受け県は、2025年からナスを日照りから守るための日よけを設置し、生育への影響を調べる実証実験を始めました。

(吉野川農業支援センター・兼田武典 主査兼係長)
「ナスの生育適温は、22℃〜30℃だといわれています」
「地温が高すぎると木が消耗してしまうので、それを防いで寒冷紗をかけておくと」
「地面の温度が2℃くらい下がって、日やけ果が少なかったりする」

猛暑による影響はあるものの、阿波市営農経済センター管内では、ナスの出荷量や取引価格は安定しているということです。

6月に梅雨明けという、異例の事態から始まった2025年の夏。

県内では2025年、熱中症警戒アラートが39回発表されるなど「記録的な猛暑」となりました。

そしてこの暑さは、県内の経済にも影響しています。

■県内経済にどんな影響?

(徳島財務事務所財務課・板坂知樹 財務課長)
「気温の上昇に伴って、ペットボトル飲料の売れ行きが良くなったといった声や」
「エアコンも、高機能な物を中心に良い売れ行きになっている」
「熱中症対策で、扇風機や冷感タオルなど、関連商品の動きも良かった」
「消費の面から行くと、猛暑の影響が販売額の増加に寄与している」

気象庁が発表したこの先3か月の見通しでは、四国地方の平均気温は9月、そして10月も平年より高くなる見込みです。

近年、異例の暑さが頻発する県内、この先も影響が心配されます。

(09/04 17:54 四国放送)

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