NNNニュース

【密着】橘の最も熱く長い一日 大迫力のけんかだんじり【徳島】(徳島県)



秋祭りシーズン到来。

阿南市橘町の名物、「橘のけんかだんじり」が10月1日に初日を迎え、だんじり同士の激しい衝突音や、若者たちの威勢の良いかけ声が、夜の街に響き渡りました。

橘の最も熱く長い一日に、カメラが密着しました。

男たちが力の限りだんじりを走らせ。

狭い路地で何度も何度もぶつけ合う。

それが橘のけんかだんじり。

祭りの舞台は漁師町、阿南市橘町。

海の安全と豊漁を祈願し、毎年10月1日から3日までおこなわれる「海正八幡神社」の例大祭。

さまざまな神事や行事の中のひとつとして、「けんかだんじり」はおこなわれます。

日が傾きだすと、だんじりの出番。

だんじりは1日と2日に橘町内4つの地区から出され、約2000人の住民らが協力し合って継承し続けています。

(町の人)
「ウキウキする」
「橘に生まれた子は、ふるさとが忘れられない」
「橘の子は、だんじりじゃ」
「仕事行っても気持ちがこっちにある」
「ほうじゃほうじゃ」

(中組)
「ほかの組とけんかするのも良し、理由があってけんかするように」
「先にどつきにいくとか、しょうもないことせんように、その場合はワイがどついたる」
「しまっていこう」

だんじりの重さは4トン。

車輪は固定されているため、まっすぐにしか進めません。

曲がる時は力づくです。

路地は道幅、約5メートル。

密集する建物にぶつけないよう、慎重に動かします。

違う組のだんじり同士が、路地で出会いました。

いよいよ、「けんかだんじり」が始まります。

住民がけんかをしないように、だんじりをぶつけ合ったのが始まりと言われ、若者たちの有り余る力をだんじりに込め、何度もぶつけ合います。

(「先組」の引き手)
「久しぶりに走って、とてもしんどかった」
「まだちょっと緊張する」
「アドレナリンが徐々に出てきた」
「いけ」

だんじりが壊れたりケガ人が出たりしない限り、互いに満足のいくまでぶつけ合います。

激しい衝突音。

アスファルトを焦がす臭い。

男たちの気迫あふれる表情。

観客はその迫力に圧倒されます。

だんじりが壊れたりケガ人が出たりしない限り、互いに満足のいくまでぶつけ合います。

激しい衝突音。

アスファルトを焦がす臭い。

男たちの気迫あふれる表情。

観客はその迫力に圧倒されます。

(オランダから)
「おーすごい」

(徳島市から)
「初めて来たけど、思った以上にすごい」
「迫力やばいよな」

(阿南市から)
「パワフル」
「こわい」

だんじりの衝突は、午後11時ごろまで続いた。

これで終わりではありません。

「曳き廻し」

クライマックスは「曳き廻し」。

だんじりが、御旅所に帰還するため、急カーブを勢いよく曲がります。

最後は獅子舞が奉納されます。

初日を終えたのは、深夜1時ごろ。

橘の最も熱く長い1日が、ようやく終わりました。

(「西組」の引き手)
「1年目です。今年から始めて」
「思っていたよりきつくて、足がめっちゃ痛い」
「実際にやって迫力がある」
「楽しいやりがいがある」

(「東組」総代・四宮浩さん)
「毎年ずっと同じことだが(若者の)元気見るたび、こっちも元気をもらう」
「次の世代を考える中で、時代にあった形を継いでいきながら、この祭りをどう残すかが大事。絶対やっていきたい」

(記者)
「まちの誇りですか」

(「東組」総代・四宮浩さん)
「最高でしょ」

「橘のけんかだんじり」は、10月2日の夜もおこなわれます。

普段は静かな漁師町に響き渡る、威勢の良いかけ声や激しい衝突音。

2日も橘の眠らない夜が続きます。

(10/02 18:45 四国放送)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)