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■｢お腹いっぱいを叶えたいのに｣　米の価格高騰で子ども食堂ﾋﾟﾝﾁ【徳島】(徳島県)

止まらない米の価格高騰によって､県内各所でも大きな不安が広がっています｡

今回は､子どもたちを対象に料理を無料で提供する､松茂町の子ども食堂に密着｡

運営している人の想いや､現状にｶﾒﾗが迫りました｡

（松茂子ども食堂･あぶらこうじにくまろ監事）
｢幸福という字は､口と腹で『口腹』と僕は思っています｣

松茂町広島にあるﾏﾂｼｹﾞ―ﾄ｡

こちらで子ども食堂を営んでいるのは､｢あぶらこうじにくまろ｣さんこと､内村義浩さんと妻の不二子さんです｡

内村さん夫妻は2022年10月､幼児から大学生までを対象に無料で食事を提供する｢松茂子ども食堂｣を設立｡

現在は月に3回､午後5時から6時45分まで､100食を超える食事を振舞っています｡

（松茂子ども食堂･内村不二子代表理事）
｢ここを設立したのは､もう3年前になるんですけど｣
｢まだその時は子ども食堂って言葉がﾈｶﾞﾃｨﾌﾞなｲﾒｰｼﾞがあったんです｣
｢（ここは）来て楽しくって､誰でもがお腹いっぱい食べられて､皆遊んで帰って行く場所という感じ｣

こちらの子ども食堂｡

運営費は松茂町からの支援金と､支援者からの寄付などでまかなっています｡

食材は運営費で購入したものに加え､知り合いの農家などに声をかけて寄付してもらったもので､何とか補っています｡

その中で､今後不足する可能性が最も高い食材が､やはり米だと言います｡

（松茂子ども食堂･あぶらこうじにくまろ監事）
｢（米の価格高騰は）かなりの打撃です､ﾒｲﾝの食材がお米なので｣
｢その量が少ないと､僕らがﾓｯﾄｰにしている､とにかくお腹いっぱいでおうちに帰ってもらいたい｣
｢それが（今後）なかなか叶えてあげにくくなるので｣

（松茂子ども食堂･内村不二子代表理事）
｢（米を）子どもに食べさせられないっていうことは､運営する側としては心苦しいというか｣
｢この笑顔が途切れてしまうんだなっていう想いがあるので｣
｢そこだけは､何とかしなければという想いです｣

この日､午後3時から行われた仕込み作業には､地域のﾎﾞﾗﾝﾃｨｱら15人ほどが参加しました｡

（松茂子ども食堂･内村不二子代表理事）
｢きょうは､ｶﾚｰﾗｲｽとｽﾊﾟｹﾞｯﾃｨｻﾗﾀﾞです､（米は）だいたい7升から8升炊きます｣
｢（子どもたちの）おうちでお米が高いっていう話は､多分出てると思うんですけど｣
｢こちらの事情とか関係なく､元気に食べて遊んでくれたらいいかなと思ってます｣

食堂が開店するまで子どもたちの安全を見守る､あぶらこうじさんにもある想いがありました｡

（松茂子ども食堂･あぶらこうじにくまろ監事）
｢とにかくお腹いっぱいっていうのを目標に始めたんで､お米ね､本当にね困るんですよ｣
｢負担も大きいんでね､数も少ないじゃないですか､で金額も高いし､でも何とか用意はしてあげたいし｣
｢もっと簡単に安く手に入れば､もっといっぱい食べてもらえるのにと思いながら｣

入口では､早く集まった子から順に整理券が配布されました｡

（ｶﾒﾗﾏﾝ）
｢ちなみに今､お腹すいてる人｣

（児童ら）
｢はｰい｣

（記者）
｢今お米が...｣

（児童ら）
｢高い｣｢高い｣

（記者）
｢これはもうみんな知っとん｣

（児童ら）
｢はい､5ｷﾛ4000円とかする｣
｢困る､米が好きだから｣

午後5時｡

松茂子ども食堂がｽﾀｰﾄしました｡

子どもたちは､お皿に盛り付けてもらった｢炊き立てのお米｣がのったｶﾚｰﾗｲｽを､次々に口へと運んでいきます｡

（児童ら）
｢美味しいです！｣
｢とても美味しいです！｣
｢これだけ人数がいるので､たくさん用意するのは難しいと思うんですけども｣
｢量も減らさずに､たくさん用意してくれることはありがたいです｣
｢この物価高で､米をこんなに食べられるというのはやっぱりうれしいので､感謝して食べてますね｣

この日は､わずか45分で100人前を超えるｶﾚｰを完食｡

子どもたちは､内村さん夫妻への感謝の気持ちを米とともに噛みしめていました｡

今後も､予断を許さない米の価格高騰｡

内村さん夫妻はどのような想いで､子ども食堂を続けていくのでしょうか｡

（松茂子ども食堂･内村不二子代表理事）
｢（今は）農家さんからのご厚意でいただいたお米で賄っているんですけど｣
｢もこれがなくなった先､どうするのかっていうのが課題なんです｣

（松茂子ども食堂･あぶらこうじにくまろ監事）
｢備蓄米放出などのﾆｭｰｽを聞くと､やっぱり期待度も上がりますし｣
｢今までみたいにｽｯとお米が手に入って､いっぱい食べてもらえるっていうふうな｣
｢（日常に）戻ってほしいですよね､早く｣

ｺﾒの価格が落ち着き､お米が子どもたちのお腹をいっぱいにする｢口腹｣な日が続くよう､松茂子ども食堂はこれからも子どもたちを支え続けます｡

善意に支えられている子ども食堂は､ｺﾒの価格高騰の影響を受けやすい存在と言えます｡

ｺﾒの価格が､早く落ち着くよう願いたいと思います｡

(06/05 18:45 四国放送)

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