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高学年を倒し剣道の全国大会へ 小3剣士の強さと素顔に迫る【徳島】 (徳島県)



徳島に次世代のスター登場か、という話題です。

2025年5月、小学生剣道の県大会で、高学年の選手を次々と倒して優勝した、小学3年生が阿南市にいます。

この大会で、県代表選手の座を掴んだ男の子。

小さな背中が、大きな夢を追いかけます。

(徳島剣清塾・河田清実 代表)
「5年生、6年生がいるなかで、まさか優勝できるとは思わなかったんですけども」

■高学年を次々倒し最年少で全国大会へ

2025年5月、小学生・剣道男子の部の県大会決勝。

131センチの小さな身体で、高学年の選手に挑む剣士がいました。

跳躍力とスピードのある面で、優勝を決めた阿南市の小学3年生・岩浅晴くん8歳です。

高学年の選手を次々と倒した晴くんは、県代表として10月、全国大会に出場します。

主催する全日本剣道道場連盟によりますと、晴くんは、今大会最年少で、小学3年生の出場は珍しいということです。

■袴は自分で着られず

(富岡東女子剣道部・岩浅花さん(姉))
「袴着られるか」

声をかけたのは、強豪・富岡東女子剣道部の姉・花さん。

(富岡東女子剣道部・岩浅花さん(姉))
「ちがう ちがう ちがう」

思わず手伝いにいく花さん、しかし。

(岩浅晴くん(小3))
「やめて(袴が)長い」

袴を引きずりながら、台所のお母さんのもとへ。

1人では袴を着られない、晴くん。

小学3年生には、まだ難しいようです。

■剣道歴は3年

剣道をはじめて3年、晴くんは週3回、阿南市の剣道教室・徳島剣清塾で腕を磨いています。

指導するのは、剣道の最高段位・八段の河田清実さん。

2018年に徳島剣清塾を設立以降、強豪剣士を輩出しています。

■駆け引きが上手

(徳島剣清塾・河田清実 代表)
「次から次へと上級生を、得意の出鼻面っていうんですかね」
「相手が面来たところに、先に面を打つという、もともとこの跳躍力とか勝負勘とか」
「相手の駆け引きっていうのが非常に上手な子で」
「決してきれいな打ちではないんですが、タイミングが非常にいい」
「小手・面・面 、はい」
「お前の(打ち方)はな、右手でこうやって抑えよるから、竹刀がベチャって当たんよる」
「ベチャって当たるんでなしに、左手効かしてストンと(竹刀の)先が引き面でも当たらな」
「これを全部ベチャって当てよったら、一本ならん。この握りと先でパクっと打つ練習」

■目指すは全国ベスト8

(岩浅晴くん(小3))
「(全国大会では)ベスト8に入って、来年もその結果を超えられるように頑張る」

(晴くんの担任・助岡晴奈 先生)
「こけた子とか、例えば鼻血が出たりとか、困ったことがあったら」
「すぐにティッシュ差し出したりとか、一緒に保健室行ったりとか」
「そういう一面も見られる優しい子ですね」

■ランドセルを背負えば…

道着姿の凛々しい表情とは違って、ランドセルを背負えばどこにでもいる小学3年生。

家に帰ると、宿題が待っています。

(記者)
「いつも、どれくらいで終わらせるん?」

(岩浅晴くん(小3))
「5分」

この日の宿題は、得意の算数。

剣道のほか、週2回そろばんに通う晴くん。

頭の中でそろばんを弾き、計算していきます。

友達が遊びに誘いにくると… 宣言通り5分で宿題を終えました。

■スポーツ大好き

友達と一緒に向かったのは、学校のグラウンド。

スポーツが大好きな晴くん。

この日はヴォルティスのTシャツを着て、約2時間サッカーを楽しみました。

家に帰っておやつのナシを食べる背中には、グラウンドの砂が。

いつもこの調子の晴くん。

お母さんは着替えを用意します。

(母・岩浅侑子さん)
「もうすごい 真っ白、いつも泥だらけ」
「まだマシかな きょうは、着替えましょう」

■姉と一緒にトレーニング

着替えた後は、女子の部で優勝し、同じ全国大会に出場する小学6年生の姉、詩さんと一緒に近くの公園へ。

延長戦になっても戦えるスタミナをつけるため、ほぼ毎日、約2キロのランニングを欠かしません。

ランニングを終え、夕食。

お母さんの愛情がこもったご飯で、エネルギーを蓄えます。

(徳島剣清塾・河田清実 代表)
「何度も言うけど、左拳をここまで上げるんぞ」
「こういう感じこないなっとん、拳が(目の前に)見えたらあかんのぞ」
「グッと上まで、こっからキュン、先がビュンと伸びる」
「これの跳躍(素振り)ぞ」

(徳島剣清塾・河田清実 代表)
「(晴くんは)家の廊下でも『面 面 小手面』と言うて」
「じいちゃんから電話かかって来て『もうやかましいてしゃあないわ』って言うぐらい、剣道やっとったみたいです」

先生との稽古に励む、晴くん。

10月の全国大会での目標はベスト8ですが、更にその先も見据えています。

■将来は「日本一」に

(岩浅晴くん(小3))
「高校も、大学も、大人になっても」
「ずっと剣道して、日本一になれるように頑張ります」

チームメイトから、全国大会に向けてのエールも。

(徳島剣清塾・野里絆さん(小4))
「全国大会でも自分の剣道に自信を持って、上位を目指してほしいです」

また、晴くんは2025年5月、西日本規模の剣道大会でも3・4年生の部で優勝しています。

■全国大会は10月19日

全国大会は10月19日、鹿児島県で開かれます。

活躍に期待です。

(09/08 18:07 四国放送)

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