■身近な移動手段に転機 「原付バイク」10月末で生産終了【徳島】(徳島県)
原動機付自転車、いわゆる「原付バイク」の生産が、10月末で中止となります。
これまで多くの人に、身近な移動手段として利用されてきた原付バイク。
生産中止の背景と、その影響を取材しました。
■便利で気軽な50cc
買い物や少し離れた場所に出掛けるのに便利な原動機付自転車、いわゆる原付バイク。
その生産が10月末で中止となります。
(記者)
「原付バイクが廃止になることは知っていた?」
(街の人は)
「知らなかった!」
「こんなに普段街中で走っているのに、それがなくなって大丈夫かなと思った」
「近場の買い物とかで利用する、ちょっと買い物行くにも一番便利かと思う」
原付バイクは軽くて乗りやすく、価格や維持費も安価なことから、通勤・通学の足として利用されてきました。
■なぜ生産終了?
なぜ原付バイクの生産が終了するのか。
背景にあるのは11月から始まる「排気ガス規制の強化」です。
世界的な脱炭素の流れの中、原付バイクのエンジンは新たな規制への対応が技術的に難しく、国内すべてのメーカーが生産終了を決めました。
■県内の販売店では「駆け込み需要」
多くの原付バイクを取り扱う県内の販売店は…。
(記者)
「徳島市二軒屋町にあるバイク販売店にきました。店頭には多くの原付バイクが並んでいます」
原付バイクの販売や修理を行う山橋商会。
長年親しまれてきた原付バイクの生産中止は、大きな驚きでした。
(山橋商会・山橋諄亮さん)
「まさかと思いましたね、原付は便利な乗り物、安くてこんな便利な乗り物はないと思う」
「基準をクリアするには非常にコストがかかる、製品の改造もしないといけない」
「メーカーが厳しい状況になり、やめめざるを得ない判断になった」
メーカーが生産終了を発表してから、店頭でも多くの駆け込み需要があると言います。
(山橋商会・山橋諄亮さん)
「もうないと諦めている人が多くいて、まだあったと即お買い上げになったり」
「遠方からお買い求めあったので、良かったと喜んでいただけるお客さんが多くいた」
■新基準では125cc以下に
今後、新たに誕生するのが、排気ガス規定に対応した「新基準原付バイク」です。
排気量は125CC以下で、最高出力は4kw以下。
これまでの原付免許で運転でき、交通ルールに変更はありません。
■新基準バイクは10万円UP?!
(山橋商会・山橋諄亮さん)
「全長も長いし、少しシートも高い、女性に関しては取り回しがやりずらい」
「そして一番の問題は、価格が高くなること」
(記者)
「跨ってみるとやはり車高が高いかなと思う」
「(旧型)原付に比べると重さが全然違う印象を受ける」
「 エンジン自体も重たい、サイズも乗ってみると大きい、ワンサイズ大きいですね」
新基準の原付バイクは旧型の原付バイクに比べて、10万円ほど値段が高くなるとみられていて、メーカー各社は年内の販売開始を目指しています。
取材中、原付バイクを見に来た人に会いました。
( 客)
「原付が壊れたから(新型は)どんなんかなと思って見に来た」
「今日見たら旧型の新車もある、どっちにしようかなと、乗ってから判断する」
■新しい選択肢「EVバイク」
そして、新たな選択肢としていま、注目を浴びる乗り物が「電動バイク」です。
電動バイクは排ガス規制の対象外。
見た目や大きさは原付バイクと変わらず、電気で走るためガソリンが必要ありません。
(記者・EVバイク体験)
「軽いですね、排ガスは0です」
「原付バイクの免許でEVバイクが乗れると考えたら、すごくいいなと思う、ガソリンも必要ない」
「(ガソリンが)値上がりしても関係なく、家庭用のコンセントで充電ができる」
■身近な移動手段が大きな転機
(山橋商会・山橋諄亮さん)
「時代の流れということで、ファッション性であったり、利便性であったり」
「社会に認められての、今日の原付バイクの繁栄だと思っている」
「われわれも側面から、エンジンが壊れたら、これからも直して取り組んでいきたいと思う」
コンパクトなサイズで長年人々の暮らしを支えてきた原付バイク。
時代の流れの中で、身近な移動手段は大きな転機を迎えています。
(10/28 18:06 四国放送)
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