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勝因は?投票率は?注目のあの政党は? 選挙戦振り返り&記者解説【徳島】(徳島県)



参議院選挙徳島・高知選挙区では、現職の広田一さんが当選を果たしました。

物価高騰対策が大きな争点となる中、政権選択の是非も問われた今回の選挙戦を振り返ります。

(広田一さん第一声)
「77兆円の税金、皆さんの手元に本当に届いているんでしょうか。暮らしに役立っているんでしょうか。暮らしに寄り添う、1人1人に向き合う、そういった国の税金の使い方に変えようではありませんか」

現職の広田一さんは、2年前の補欠選挙同様、無所属での立候補ながら、野党各党の支援を受け、事実上「野党共闘」体制を整えました。

ガソリン税減税や年金の底上げなど、暮らしに身近な政策を一貫して主張。

知名度のある高知では、政党色を抑えた一方、徳島では立憲民主党の幹部が相次いで演説に立ち、組織戦を展開しました。

(大石さん第一声)
「私は地方の立場に立った政治をすすめます。都市から地方への人の移動物の移動、お金の移動、これを全力で進めていく。都市集中から地方分散へ、この国家の大改革をこの徳島からやっていきたい」

自民党の新人・大石宗さんは「都市集中から地方分散へ」をスローガンに掲げ、地方再生が日本を復活させるカギだと主張しました。

国会議員や徳島・高知両県の県議、自治体のトップらを中心に党の組織力を活かした戦いを展開。

小泉農水大臣や石破総理らも応援にかけつけ、支持拡大を図りました。

最大の争点は、止まらない物価高に対して与党が掲げる「現金給付」か、野党が掲げる「減税」か。

一騎打ちかと思われた徳島・高知選挙区にも”あの”風が吹きました。


(参政党・神谷代表)
「1・2・参政党」

都議選での議席獲得以来、勢いに乗る参政党。

新人の金城幹泰さんが終盤、急速に支持を広げました。

17日にJR徳島駅前で行われた神谷代表の街頭演説には、陣営発表で800人もの聴衆が詰めかけ、注目度の高さをうかがわせました。


「バンザーイ」

全国で与党が過半数割れとなる中、徳島高知でも勝ったのは、野党系の広田さんでした。

混乱が予想される政局のもと、地元の代表として国会でどんな働きを見せてくれるのでしょうか。

(森本)
ここからは選挙戦を取材した浦川記者とお伝えします。

浦川さん、振り返ってみて今回はどんな選挙戦でしたか。

(記者)
候補者4人ともが高知を地盤とする人物だったため、盛り上がりにはややかけましたが、暮らしに直結する物価高対策などの争点や参政党の躍進などで徐々に注目度が高まっていった印象です。

(森本)
そんな中徳島・高知選挙区では現職の広田さんが当選しました。

ズバリ勝因は何だったんでしょうか。

(記者)
高知が地盤の広田さんにとっては、「知名度が低い」と話す、徳島での浸透が課題でした。

このため任期中に徳島の県議や市町村議、400人の自宅を訪ね、地域の課題などを聞いて回ったほか、選挙戦でも出陣式は徳島市で行い、中盤以降は徳島に腰をすえて活動するなど、票の上積みを図りました。

無所属での立候補ですが、立憲民主党の幹部が次々と応援に駆け付けるなど、終盤は組織戦も展開し、与党への批判票や無党派層を取り込みました。

(森本)
一方、敗れた自民党の大石さんはどうでしたか?

(記者)
高知県議だった大石さんが自民党の要請を受け立候補を表明したのは2025年1月と、出遅れ感は否めませんでした。

広い合区の選挙区の中で浸透を図るには、自民党の組織力を持ってしても、時間が足りなかったのではないかと思います。

また、自民党国会議員の失言が相次ぎ、党への逆風が強まったことで更なる苦戦を強いられました。

選挙戦最終日には石破総理も応援に駆け付けましたが、内閣支持率そのものが低い中、追い風とはなりませんでした。

(森本)
今回は投票率も5割を超えましたよね。

(記者)
はい、大方の予想を上回り、2016年の合区導入以来初めて徳島・高知両県とも50%を超えました。

県内の投票率は50.48%と、3年前より4.76ポイント上昇しました。

政権選択が叫ばれる中、選挙への関心が高まったことは間違いないと思います。

ただ、それでもこの数字は全国平均を8ポイント下回り、全国で最も低い数字です。

やはり合区選挙、候補者全員が高知を地盤とする人物だったため、関心の高さが投票に結びつかなかったのではないかと思います。

これ以上政治が遠いものにならないよう、当選した広田さんには、国会でこの合区問題の議論を深めて欲しいと思います。

(森本)
浦川記者でした。

(07/21 17:58 四国放送)

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