■「穴からさわやかな風」難所のトンネル貫通 徳島南環状道路【徳島】(徳島県)
こちらの地図をご覧ください。
徳島外環状道路
徳島市をぐるっと囲むように建設が進められている、徳島外環状道路の路線図です。
徳島市中心部の交通渋滞の解消を目指しています。
今回取り上げるのは左下部分、徳島南環状道路です。
徳島南環状道路
徳島南環状道路は国が担当する区間で、徳島市国府町観音寺の国道192交差点から、徳島市八万町大野の国道55号の交差点を結びます。
総延長9.5キロです。
1995年に工事着工し30年が経過したものの、側道部分を含めても現在、開通しているのは9.5キロのうち、5.9キロのみ。
なかなか進まない工事について国交省の担当者は、「住宅が多く、地元との調整に時間を要したことや、予算の制約などが要因にある」 と説明しています。
しかし5月29日、この区間の難所と言われてきた僧津山のトンネル工事に、大きな動きがありました。
(記者)
「国道192号と交わる、国府町観音寺の交差点です」
「徳島南環状道路は、この場所を起点としてあちらに続いています」
2000年までに徳島南環状道路で最初に開通した、国府町観音寺から鮎喰川までの区間。
本線の高架道路は、それから25年立った今も完成していません。
現在、私たちが通れるのは側道部分ですが、う回路として多くのドライバーが利用しています。
しかし…。
現在、南環状道路で開通しているのは、国府町観音寺から鮎喰川までの2.6キロと、上八万から八万町大野までの3.3キロのみで、全線開通には至っていません。
未開通区間、鮎喰川から上八万までの工事の状況は、どうなっているのでしょうか。
(記者)
「この先の工事は、どうなっています?」
(国交省 四国地方整備局・水野 匡洋 副所長)
「これから先は、この鮎喰川を渡河する橋梁」
「橋脚はほとんど完成しているので、これから橋桁かける工事を、そう遠くない時期に発注しようと思っています」
「橋桁をかける工事というのは難易度も高いし、自然条件にも左右されるので、(完成時期は)明言はできない」
開通の目途は立たず…。
しかし、この鮎喰川を渡った先で、先週、動きがありました。
徳島南環状道路の難所。
一宮町から上八万町へ掘り進んでいた、「僧津山トンネル」が貫通の日を迎えたのです。
延長約855m、4車線の自動車専用道路が通る、巨大構造物です。
(記者)
「いつから工事しています?」
(戸田建設・秋月 健一 所長)
「昨年の4月からですね、硬質な岩盤が多いので、火薬を使用して掘削しています」
「事故なく、最後まで終わりたいなと思っております」
(記者)
「まもなく、僧津山トンネル貫通を迎えます」
現場には、貫通の瞬間を一目見ようと国や県、工事業者など多くの人が集まりました。
(作業員)
「僧津山トンネル工事の、掘削作業を開始したします」
最後の掘削は火薬による発破ではなく、ブレーカーと呼ばれる機械で行われました。
工事開始から14か月、掘り進むこと854m。
最後の1mは丁寧に、ゆっくりと…。
そして、ついに…。
(トンネル開通)
(関係者一同)
「万歳、万歳」
1mほどの穴からは、さわやかな風が吹き込んできました。
(戸田建設・秋月 健一 所長)
「節目として、最後まで無事故で終わらせるということが非常に大事な使命。」
(国交省 四国地方整備局・水野匡洋 副所長)
「ひとつの大きな難所を乗り越えたという気持ち」
「それを乗り越えたことによって、早期開通に向けてまた一歩大きく前進した」
僧津山トンネルは完成ではなく、内部をコンクリートなどで覆ったり舗装する工事が続きます。
また、鮎喰川を渡る橋や、上八万の国道を越える高架橋、その他の地区でも工事はまだ残っていて、開通の目途は立ちません。
ただこの日、開通に向けて前進があったのは確かです。
(06/02 19:16 四国放送)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)