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「フレイル」にならないために 人生100年時代を自分らしく生きる予防法【徳島】(徳島県)



みなさんは「フレイル」という言葉をご存じでしょうか。

歳をとることによって体の機能が衰え、要介護の手前となった状態にあることを言います。

人生100年時代を自分らしく生きるために「フレイル」を予防するための取り組みを取材しました。

(記者)
「フレイルってご存じですか?」

(高齢者)
「老化現象ですね」

(記者)
「普段から、何か気をつけていることはありますか?」

(高齢者)
「朝の体操ですね、これ以上はやりません、やれませんね」
「家の中でも女の人は、しっかり動いてますからね」
「毎朝散歩するくらいですか」
「歳とって歩けなくなったら困るので、歩いている状態ですね」

厚生労働省によりますと、健康上の問題がない状態で日常生活が制限されることなく、自立して生活できる「健康寿命」は現在、男性が72.57歳、女性は75.45歳となっています。

人生100年時代を自分らしく生きるために、今注目されているのが要介護手前の状態「フレイル」の予防。

「フレイル」の予防について、県長寿いきがい課で話を聞きました。

(記者)
「フレイルとはどういう状態のことなのでしょうか」

(県長寿いきがい課・コ元 義治 係長)
「加齢にともない、心身の機能が低下した状態を意味する言葉です」
「健康と要介護の中間の時期となっています」
「多くの方が健康状態から、フレイルという段階を経て要介護状態に陥ります」

高齢者を中心に増加している、要介護状態手前の「フレイル」。

県内での75歳以上の後期高齢者の要介護率は、全国の中でも高い状態だということです。

(県長寿いきがい課・コ元 義治 係長)
「徳島県では32.8%となっており、高いことが分かります」
「徳島県の全国での順位は、上から11番目ということで」
「全国的にみても高いといえます」

そうした状況の中県では「フレイル予防実践ガイドブック」を作成し、県民に対してフレイルへの知識や、その予防法などの周知を図っています。

ガイドブックにはフレイルの特徴や、セルフチェックの仕方などフレイルを予防するためのポイントが記されています。

一方、医師はフレイルの状態に、患者自身が気づいていないことが1番の問題だと話します。

(虹の橋病院 整形外科・高川冬木 医師)
「最初はなかなか自分の体が弱ってきているということを、把握しづらいと思います」
「フレイルも、早期発見と対策が1番大事だと思うので」
「普段からセルフチェックしたり、運動を積極的に行うことが大事です」

簡単にできるセルフチェックの方法を教えてもらいました。

(虹の橋病院 整形外科・高川冬木 医師)
「前を向いて手を胸の前で組んで、手の力を使わずに」
「このまま立ち上がる、これをなるべく早く5回繰り返す」
「12秒以内に5回できれば、大丈夫なのですが」
「12秒以上かかった場合は、転倒リスクが高い」
「フレイルをそのまま放置すると、筋肉が弱る骨も弱くなって」
「骨粗しょう症になりやすくなる」
「転倒して骨折したり、結果的に要介護状態になる」

要介護状態にならないためには「フレイル」の予防が大切です。

こちらの病院では、予防のために様々な取り組みをしています。

マシンピラティス。

器具を使って体をピンポイントで鍛えることができ、骨折や手術後のリハビリなどに使われます。

早期に身体機能を改善し、社会復帰までの期間を短くすることが、フレイルの予防に繋がります。

体幹を強化し筋力を上げる「ピラティス」の要素を取り入れた有酸素運動です。

普段使わない部分を意識的に使うことで、自律神経のバランスを整えたり、身体機能の維持に役立ちます

(参加者)
「新しい感覚の動きというのが、よく分かりました」
「体が温まりました、筋肉が柔らかくなったように思います」

(虹の橋病院 内科・高川由利子 医師)
「体全体のバランスを整えていますので、転びにくい体にすることがひとつ」
「体幹を鍛える以外にも、新しいことにみんなでチャレンジしているので」
「意欲向上につながったり、認知機能にも良い影響が出るのではないかと期待しています」

県では2024年度から、2月をフレイル予防推進強化月間とし、フレイルへのより一層の意識向上や予防を呼びかけています。

(県長寿いきがい課・コ元義治 係長)
「自分がまずフレイルをよく知ってもらい」
「そのフレイル(予防)への取り組みを、周りの方と一緒に社会とのつながりを持って」
「社会参加をしながら、フレイル予防に積極的に取り組んでもらいたい」

「フレイル」にならないためには、日頃から自分の状態を知り予防を心がけることが大切です。

人生100年時代を、自分らしく過ごすために。

(04/21 18:43 四国放送)

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