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どうなるガソリン減税 生活への影響は?記者解説でくわしく【徳島】(徳島県)



■「ガソリン暫定税率」の早期廃止を明言

(高市早苗 首相)
「ガソリンの暫定税率について各党間の議論を踏まえ、今国会での廃止法案の成立を期します」

先週発足した高市新内閣。

高市総理は所信表明で、「ガソリン暫定税率」の早期廃止を明言しました。

「暫定」でありながら長年、国民の負担となっている「ガソリンの暫定税率」についてフカボリします。

(小玉アナウンサー)
「ここからは県政担当の浦川記者です。ガソリン暫定税率廃止に向けた動きが本格化していますね」

(浦川記者)
「そうですね。まだ協議は続いていますが、年内で廃止される方針です」

(小玉アナウンサー)
「改めてこの『暫定税率』とはどういうものなんでしょうか」

■ガソリン小売価格の内訳

(記者)
「まずはこちらをご覧ください」

(記者)
「ガソリン価格には消費税などのほかに、1リットル当たり「53.8円」のガソリン税がかかっています」
「ただ、ガソリン税の本来の税率は1リットルあたり「28.7円」に過ぎず、残りの『25.1円』がいわゆる『暫定税率』と呼ばれる上乗せ分になります」

(小玉アナウンサー)
「こうしてみるとやはり大きな負担ですよね、暫定税率はいつどのような経緯で始まったんでしょうか」

(記者)
「暫定税率の誕生には、時代背景が大きく関係しています」

■1974年に「暫定的」に上乗せ

(浦川記者)
「全国で社会インフラの整備が進んだ高度経済成長期」
「県内でも1970年代にかけ、吉野川大橋を含む国道11号や国道55号、末広大橋など、次々と主要な道路の整備が進みました」
「実はこのころ始まったのが、ガソリン税の『暫定税率』なんです」

(記者)
「暫定税率は1974年に全国の道路整備の財源を確保するため、『暫定的』に上乗せされたものです」
「当初はその名の通り『2年間の暫定措置』でしたが、財政難を理由に延長され続けてきました」

(小玉アナウンサー)
「『暫定』が実に半世紀以上続いているわけですが、これまでにも廃止の動きはありましたよね」



■これまでにも廃止の動き

(記者)
「はい、2008年には期限切れで実は一度無くなるんですが、わずか1か月で復活し、大きな混乱をきたしました」
「2009年にはその混乱を背景に旧民主党が『暫定税率廃止』を公約に掲げ、衆院選に大勝」
「政権交代も果たしますが、財政事情の厳しさから結局廃止を断念しました」

(小玉アナウンサー)
「こうした経緯もあって、与野党合意の上で進む今回の議論が、より注目されているわけですね」

(記者)
「そうですね、車への依存度が高い地方ではより注目度も高いと思います。県民の反応です」

■県民の反応は

(移動販売店主)
「常に仕事で車で走るので、普段の足が車だから、自家用車も兼ねて燃料はずっと使わないといけないので」
「(ガソリン価格は)本当に気になる」

「(暫定税率廃止は)良いこと。ちょっとでも安くならないと」
「私は旅行が好きだが(ガソリン代が高いから)旅行止めている 」

(記者)
「ガソリン代が負担になっている?」

「なってますね」
「なるべく安いところを探して(入れている)」
「ポイント使いながら」
「(暫定税率廃止は)歓迎ですね」
「無くしてもらった方がいい」

「(暫定税率廃止は)ありがたいことですけど、その財源どうするんでしょう、結局(国民に)返ってくるでしょう」

(小玉アナウンサー)
「歓迎する声があった一方、財源を気にする声もありましたね」

(記者)
「はい、今後はこの財源を巡る議論が、大きな焦点になると思います」

■徳島県では年間30億円の減収見込み

ガソリン税の一部は地方税です。

高市総理は「軽油」の暫定税率も廃止すると表明していますが、国の試算では双方の暫定税率を廃止すると、国と地方合わせて、年間1兆5000億円の減収になるとされています。

徳島県でも、年間30億円あまりの減収が見込まれています。

(小玉アナウンサー)
「大きな減収ですよね。替わりの財源についてはどのような議論が進んでいますか」

■廃止になった場合の財源は?

(記者)
「はい、これまでの協議では『税収の上振れ分の活用』などにより、新たに国民に負担を求めずに財源を確保するという意見の一方」
「『税収の上振れ分』では、将来にわたり安定して見込める収入源にはならないといった意見も出ています」
「ただ忘れてはいけないのが、暫定税率廃止の目的は『家計負担の軽減』です」
「財源確保に注力するあまり『他の税を引き上げる』ということでは本末転倒ですので、この点に十分配慮した議論が求められます」

(小玉アナウンサー)
「そして、廃止の時期など最新の議論はどうなっていますか」

(記者)
「はい、自民党は当初、来年の廃止を想定していましたが、今週行われた協議で年内廃止を強く求める野党側に譲歩しました」
「その結果、補助金を活用して段階的に価格を引き下げ、年内に暫定税率を廃止する見通しです。

(小玉アナウンサー)
「50年以上続いた暫定税率が廃止ということで、大きな一歩となりましたが、財源の確保など今後も調整が続きますね」

(記者)
「そうですね。ただ、物価高対策が争点だった夏の参院選からは、すでに3か月以上が立っています」
「国会には、国民目線に立ったうえで、スピード感のある議論を展開して欲しいと思います」

(小玉アナウンサー)
「ここまで浦川記者でした」

(10/31 18:45 四国放送)

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