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徳島の地酒を世界へ 蔵元たちの思い【徳島】(徳島県)



国内では若者の日本酒離れが叫ばれて久しいですが、そんな中、徳島の地酒が今、日本を超え、世界へ広がりつつあります。

「徳島の地酒を世界へ」と願う、県内の酒造関係者たちの思いを取材しました。


(後藤田知事)
「おかげさまで令和6年度の農林水産物の輸出は、前年度の41・5億円から8億4000万増加して過去最高の49億9000万円となったところです」

後藤田知事は、10月行われた記者会見でこのように述べ、県の輸出状況を説明しました。


県の農林水産物や食品などの輸出額は、2018年度には12億9000万円だったのが、2024年度には過去最高の49億9000万円となり、6年間で約4倍にまで伸びています。

県は、単価の高い牛肉など畜産物の輸出増加や、フランスやドイツを中心としたヨーロッパ市場へのすだちやゆずの青果や、柑橘加工品の輸出が好調だったことなどが主な要因としています。

こうした中、徳島の地酒を世界に知ってもらおうとする動きが広まっています。


(県酒造組合・前田康人会長)
「お酒というのも含めて、頑張って輸出していこうという中で、なかなか徳島県の酒というのもまだまだ売り出せてなかったので頑張っていこうと(酒造組合の)みんなで話し合ってすすめています」

現在、県酒造組合に所属する19の蔵元のうち、5つの蔵元が協力し徳島の地酒を世界に広めるための取り組みを進めています。

新酒づくりたけなわの今のシーズン、前田さんの会社でも新酒の仕込みに追われています。

「だいぶきれいにコメも溶けてきているかなと」
「海外にいく酒ですか?」
「シンガポールをはじめ、いくつかの国に輸出もしているお酒です」

徳島の地酒はその品質の高さからいま、徐々に海外で認知度が高まりつつあります。

(県酒造組合・前田康人会長)
「今やはりうまく進んでいるのは、シンガポールになります」
「日本食のいろんな飲食店をシンガポールで展開しているところがありまして、そこがやっぱり徳島県の酒造酒に関心を示してくれたというのが非常に大きかった」

前田さんたちは年に5回ほど海外に出向き、徳島の地酒をPRしています。

そうした地道な努力を繰り返したことで、県内から輸出された日本酒は、2020年は年間22・6キロリットルだったのが、2024年には42・5キロリットルと、約2倍にまで伸びています。

(県酒造組合・前田康人会長)
「日本酒っておいしいと感じ取ってくれていますし、海外で食べる日本食がすごくおいしくなっています」
「だからこそ、おいしい日本酒というのも、シンプルに合わせれるようになってきたのかなと思っています」

日本酒の国内需要が減少する中、徳島の地酒を世界に広げていくには、1にも2にもPRと、前田さんは自社のホームページも海外を意識したものに工夫しています。

(県酒造組合・前田康人会長)
「ページそのものは日本人向けなのですが、日本語で日本人向けと言いつつも、表現とかを翻訳にかかっても良いように見やすいようにと思って」

情報がグローバル化する中、世界へ向けた情報発信にもしっかり取り組んだことで、海外からの問い合わせが増えてきました。

とはいえ新潟県など全国的に有名な「酒どころ」に比べると、まだまだ徳島の地酒は知名度が低いと言わざるを得ません。

今後も海外で積極的に試飲会などを開き、そのおいしさを1人でも多くの人に届けたいと、前田さんは話します。

(県酒造組合・前田康人会長)
「徳島県のお酒って認知度は低いのですが、それぞれ美味しいお酒をいっぱい作ってますので、それを知ってもらう」
「まだまだ徳島県、当社も含め輸出の数量は少ないので、いろんな国いろんな所で飲んでいただけるようにPRをすすめていきたいなと思っています」

世界での認知度が少しづつ高まっているとはいえ、まだまだ道半ば。

「徳島の地酒を世界へ」前田さんたちの挑戦は続きます。

(11/04 18:18 四国放送)

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