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「素晴らしいご縁をいただいた」被災地の企業と大手企業とのマッチング 福島(福島県)



震災、原発事故から14年、復興に向けて、先日、ウェブ上で、被災地の企業と大手企業とのマッチングが行われました。毎年行われているこのマッチングでは、過去には、会津地鶏の加工品が、日本航空のマイル交換サイトに掲載されたケースもあるそうなんです。ことしも行われた被災地企業と大手企業のマッチング、その現場に注目しました。

コメ卸、小売の「相馬屋」。いわき市に本社を構え、こちら、楢葉町の工場では、パックご飯も生産、各地に届けています。収穫の秋、いまはちょうど、コメの集荷に忙しい時期だといいますが…。そんな中、この日、パックご飯事業部の佐藤賢人さんが郡山市へ…。なんでも大切なミーティングなんだとか。忙しいさなかでも駆け付ける、そのミーティングとは、いったい。

■福島復興局 木田秀太さん
「これより令和7年度、結の場支援提案企業大日本印刷株式会社(DNP)様と被災地企業株式会社相馬屋様のセッションを始めます。」

■相馬屋 佐藤賢人さん
「お世話になります。株式会社相馬屋の佐藤と申します。」

「DNPファシリティサービス食の健康推進課の岩田と申します。」

佐藤さんがオンラインで参加したミーティングそれは「結の場」。岩手・宮城・福島の被災3県の企業と大手企業をつなぐ、復興庁の取り組みです。大手企業とのつながりを、被災地の企業の成長につなげてもらうのが狙い。今回の「相馬屋」のお相手は、印刷業界大手の、DNP=大日本印刷やそのグループ企業です。

■相馬屋 佐藤賢人さん
「ぜひ福島県の高品質なお米、精米供給に関してもお話しさせて頂ければと思います。」

「相馬屋」にとって、ビジネスチャンスやノウハウをつかむまたとない機会です!この日は「相馬屋」を含め岩手、宮城、福島から被災地の企業21社が参加。それぞれがリモートで大手企業とのセッションに臨んでいました。ちなみに、被災地企業を支援しようと参加した大手企業は…。

■ヤマト運輸
「ヤマト運輸の兼田と申します。はじめまして。」

■日本航空
「日本航空東北支社の塩田と申します。よろしくおねがいします。」

■JTB
「JTB仙台支店の林と申します。」

名だたる大手企業22社が被災地企業のためにと集まりました。過去にはこの「結の場」がきっかけで、会津地鶏の加工品が日本航空のマイル交換サイトに掲載されたこともあったそうです。そして今回の「結の場」。大日本印刷やそのグループ企業とセッションに臨んでいた「相馬屋」の様子を覗くと…。

「いま我々パックご飯の導入を検討していまして。全国に工場、食堂あるが24時間稼働している。」

大日本印刷グループの工場の社員食堂向けに、相馬屋が製造するパックご飯の供給について打診があったようです。さらに…

「農家さんが持ち込んでそれをパックご飯にしてくれる?(相馬屋・佐藤/おっしゃる通りです。)これは新しい。(相馬屋・佐藤/玄米で届いても弊社の精米工場で精米して、パックご飯にします。)これはすごいと思いますね。」

大日本印刷が取引先のコメを「相馬屋」に搬入してパックご飯に加工するといった案まで話し合われました。佐藤さん、今回のセッション、いかがでしたか?

■相馬屋 佐藤賢人さん
「素晴らしいご縁をいただいたと思います。被災地で、根ざして、事業を行っていく企業としては、こういった機会があり、ご支援をいただけるのは、励みになる、勇気をいただける思い。」

この「結の場」の取り組み。もともとは、震災直後に販路を失った企業に向けた支援として震災の翌年2千12年にスタート。復興庁も、被災地の生業再生のため、力を入れてきました。

■復興庁企業連携推進室 菅野 航主査
「この結の場という事業は、本日の場はあくまでもひとつ出会いのきっかけでしかない。この場で全ての課題が解決するといわけでない。引き続き、被災地の企業と、支援企業とここでのきっかけを継続して頂いて、なにかひとつ成果につながれば良いと思うと考えている。復興庁としても、現地の福島復興局と一緒になってサポートできればと考えている。」

ことしも多くの出会いを生んだ「結の場」、被災地の企業が、再生、そして飛躍に向け、チャンスをつかもうとしています。


(10/28 18:59 福島中央テレビ)

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