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「虚偽の供述ということ」10億円の大半が反社会的勢力に 福島(福島県)



先週、驚きの調査結果が明らかにされました。巨額の不正融資が問題となっているいわき信用組合。その実態を調べる特別調査委員会はこれまで使途不明とされていたおよそ10億円の大半が反社会的勢力に支払われていたと発表しました。金融庁が銀行法に基づく業務の一部停止と改善命令を出すなど地元の信頼も揺らいでいます。

巨額の不正融資問題に揺れるいわき信用組合。その実態を調べる特別調査委員会は先週金曜日の会見で、新たな事実を明らかにしました。

■特別調査委員会 貞弘賢太郎 委員長
「8.5億円ないし10億の使徒不明金の行き先を解明せよということがミッションだったわけですけれども結論から申し上げると、その大部分」「反社と評価すべき方、すべきものからの不当要求に対する支払いに充てられた部分が相当あったんだろうなというのが我々の結論でございます」

これまで使途不明とされていたおよそ10億円の大半が、反社会的勢力に支払われていたと言うのです。特別調査委員会によればその金額は9億4千9百万円。街宣活動を中止させるための解決料名目などとして支払われていました。この9億円あまりは顧客の口座を無断で開設するなどして、集めたと見られています。また特別調査委員会はいわき信用組合が行った不正融資全体の実行額は、279億8千4百万円と認定しました。一方、調査の過程では驚くべき企業体質も明らかになりました。不正融資で使われたノートパソコン。いわき信用組合の説明では「ハンマーで破壊し処分した」とされていましたが…。

■特別調査委員会 貞弘賢太郎 委員長
「いや、実は違うんですと。あの、会議室で、組合の会議室で、前専務理事の坪井さんに相談して、相談したところ、坪井さんが「分かった、自分が持っておく」ということで坪井さんに預けましたと」

ことしの5月に公表された第三者委員会の調査の中で職員が虚偽の証言をしていたこともわかりました。うその証言は職員だけではなく当時の理事長も…

■いわき信用組合 本多洋八理事長(当時)
記者「どういう立場で不正融資に関与した?」「隠ぺいを続けたということだと思います」

5月の会見で不正融資に積極的に関わっていないという姿勢でしたが、特別調査委員会の報告書では本多洋八氏が専務理事だった2020年に不正融資を「差配」、つまり「指示していた」と認定しています。

■いわき信用組合 金成茂理事長
記者「5月の第三者委員会の会見で「私はやっていない」はウソだった?」金成「虚偽の供述ということ」

反社会的勢力への資金提供。そして不誠実な企業体質。組合から融資を受ける地元企業も困惑を隠せません。

■志賀塗装 志賀晶文 社長
「残念ということと、どこまで続くんだろうっていう感じでした」記者「いわき信用組合に対する信頼っていうのは変わりませんか?」「そうですね、まあ信頼していきたいという気持ちはあります。なぜなら現場の職員の方々は本当に熱心にやってる金融機関です。そこは私お世辞ではなくて他の金融機関さんとも踏まえてですね感じるところはあるんですけどもその現場の動きと今回のその報告、虚偽報告に対する動きは全く違うわけじゃないですか。そこがすごく悩ましいなと思ってますが多分ラストチャンスになってしまうんじゃないかな」

問われる、金融機関としての信頼。今後について、金成茂理事長は…

■いわき信用組合 金成茂理事長
「旧経営陣との決別とともに、今回出てきました反社と思われる方との断絶というものは、こちらは必ず行っていきたいと思います」


(11/03 18:46 福島中央テレビ)

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