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県民の面倒見の良さが売り! 移住からの就農を促進する福島県、人気の体験会を取材(福島県)



地方の人口減少が加速する中、いま全国の自治体では、移住者の「争奪戦」が繰り広げられています。そうした中、福島では今、これまでとはちょっと違う、移住者を呼び込む新たな一手が始まっています。

急激に進む地方の人口減少。全国の自治体は、都内でイベントを開催したり、大都市に相談窓口を開設したりするなど、移住者の争奪戦を繰り広げています。そんな中、福島県が取り組む移住者獲得の新たな一手に注目しました。

■小野桃香さん
「愛知県刈谷市から来ました」
■小川航典さん
「京都から来ました」

今月1日JR新白河駅に降り立ったのは、県が企画した2泊3日の体験移住の参加者です。いまや体験移住は多くの自治体で取り組まれていますが、今回の体験移住はちょっと違いました。

■司会
「はい、ようこそ福島県へということで。ただいまより、移住就農お試し体験の交流会を開会します」

移住就農。その言葉の通り、農業をしながら移住を体験してもらいます。実は今、人気の企画なのだそう。

■農業担い手課 菊地 亮輔さん
「移住して農業をやりたいという、移住と就農を考えている方を支援する取り組みです」

福島に住んで農業を始めたいという人は少なくないようで、今回も面接などで選ばれた「本気の」3人が参加しました。

■小野桃香さん
「農業は本当に関わったというかやったこと、ほとんどないですけど…」

驚くのは参加者3人に対して、オリエンテーションには県側から参加者よりも多い4人が参加。移住者獲得に向けて、こちらも本気です。

■福島県農業振興公社 就農コーディネーター 小針 由貴子さん
「絶対に引き込みたいと思っています」
(記者 Q福島に来てほしい?)
「来てほしいです。みんな新しい方を放っておけないという思いで、面倒見の良い先輩方がいっぱいいるので、ぜひそこは地域に溶け込めるので安心してきていただければと思います。私がいれば大丈夫(笑)」

初日から4人の熱意が伝わったのか…

■小川航典さん
「非常に興味深い話をたくさん伺えたので、まずスタートとして非常に良かったと思います。」
■小野桃香さん
「全然知らないことばかりだったので、ちょっと教えて頂いてもっと知りたいと思いました」

そして、体験移住2日目。この日は、受け入れ先の農家で本格的に農作業をすることに。

■受け入れ農家の ガンバ農園 鈴木博之さん
「はい、おはようございます。きょうから午前中、アスパラの収穫とキュウリの収穫をメーンにやる予定です」

通常の農作業と同じように、暑さを避けて早朝からの体験です。本格的な農作業ですが、参加者のみなさんはもちろん、農業の経験者ばかりではありません。それでも、農園のみなさんは日常の作業もある中、惜しみなく手ほどきしました。

■ガンバ農園 鈴木博之さん
「この秋のあいだにこいつ(擬葉)が養分を地下にためて、このためたものが4月、5月、春先に養分で小さいのが出てくる」
■小野桃香さん
「へ〜」

実はこうした面倒見の良さこそ、福島の移住就農の「推しポイント」なのだとか。

■ガンバ農園 鈴木博之さん
「来るもの拒まずではないけど、教えてほしいという方には、全て、私のわかること全て教えていけたらなぁと。今後もやっていきたいと思います」
(記者 Q小野さん来たらどうしますか?)
「ぜひ! 来てもらいたい。うちに就農なんてどうかな…(笑)」
■農業担い手課 菊地亮輔さん
「福島県だけでなく、市町村、農業関係のみなさんと一緒に、来て頂いた方の支援を熱くやっていきたいと思っていますので、ぜひ福島県を選んでいただけたら良いなと思います。私はみなさんの挑戦を応援したいと思います」

そんな受け入れた皆さんの思いは、参加者にもしっかり伝わったようです。

■小野桃香さん
「外部から来た人にすごく優しくして頂いて、温まります、心が。(移住就農を)前向きに考えたいと思います」
■小川航典さん
「東京とかにいると、隣の人も知らないようなことも多いと思うんですが、ちょっと外れたところで、いろいろな人と関わりあいながら暮らしていくというのも素敵だなと思って、将来の選択肢のひとつになりました」

福島の新たな一手、農業を組み合わせた移住者の呼び込み。「面倒見の良さ」が売りの福島の勝算はいかに…。

(09/04 18:51 福島中央テレビ)

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