■大幅な引き上げ「最低賃金」来年1月から1000円超に 中小企業は資金の捻出が課題 福島(福島県)
物価高などを背景に、県内でも来年1月から最低賃金が初めて1000円台となります。
これを前にした10月27日、福島労働局は県内の労働・経済団体に要請を行いました。
暮らしを豊かにしていくためには欠かせない賃金のアップですが、中小企業は人件費を今後、どう工面するか対応に迫られています。
社会を成り立たせる上で欠かすことができない「労働」。
その労働者に対して支払われる最低賃金をめぐって今年、全国的に大きな動きが起きました。
それはここ、福島でも…
福島労働局の担当者「福島県、最低賃金額は令和8年1月1日から1033円となります。」
最低賃金が大幅に引き上げられ、すべての都道府県で初めて1000円を超える結果となったのです。
最も高い東京都では1226円。県内は来年1月からこれまでの955円から78円上昇の1033円となります。
最低賃金の改定を前にした27日には、福島労働局が連合などの労働・経済団体を集めて賃金見直しに関する要望を行いました。
物価の上昇や春闘における賃上げが、去年を上回る水準だったことなどが背景にある今回の最低賃金の引き上げ。
ただ賃金を支払う側、特に中小企業の経営者はその対応に頭を悩ませています。
JR郡山駅前にある食堂・三松会館。最低賃金の引き上げで、百万円単位での支出の増加が見込まれています。
三松会館 松ア昭信 会長「最低賃金が上がると単純計算で(人件費が)年間2〜3百万円多くなる。どうやって工面するかと悩んでいるところ。」
創業から72年。安くてうまい豊富なメニューが評判で長年愛されてきましたが、物価高の影響で去年およそ15年ぶりに30円から50円の値上げをしました。
いまなお続く物価高の中で最低賃金が引き上げられるとあって、課題は、資金のねん出です。
松ア会長「何が一番経営に大事かと言うと、従業員なんだよね。給料上げようと思うと売り上げの問題がある。」
店では、コストカットできる部分がないか支出を見直すとともに、売り上げを伸ばそうと客単価の高い 夜の営業時間を延ばすことも検討しているということです。
松ア会長「政府で決めたことだから我々は我慢するってなるけれども、我々小さいところに(賃金を)上げた分、政府がなんぼか補助してくれるならいいけど。」
厚生労働省では、賃上げと生産性向上のための設備投資などを行った中小企業などに対して、その費用の一部を助成する支援制度を設けています。
厚生労働省福島労働局 岡田直樹 局長「今回の最低賃金の引き上げに大変苦慮されている方も多いと思います。各種助成金を用意しているので、最大限の支援をさせていただきたい。」
(10/27 18:52 福島中央テレビ)
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