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「苦悩の先には夢と元気がある」国境を超えて伝わる“フラ女将”の舞 福島(福島県)



福島県いわき市といえば「東北のハワイ」と謳われていて、レジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」をきっかけに、フラダンスも町の文化として根付いています。そのいわき市の湯本温泉には、着物姿でフラダンスを踊る「フラ女将」がいて、これも一つの名物となっています。

5月19日、福島空港に集まっていたフラ女将たち。今話題のあの場所で、フラダンスを披露することになり、移動の最中でした。

■いわき湯本温泉 湯の華会 会長 小井戸 文恵さん
「まさかこのような舞台に立てると思わなかったので、とてもうれしく思っています。私たちの笑顔と元気と夢を、みなさんに、世界中の方にお伝え出来たらよいなと思っています。」

フラ女将たちが向かった先は、いわき湯本温泉から約600キロ離れた大阪・関西万博です。

この日、「フラ女将」たちは福島復興をテーマにした、展示会場のステージに立ちました。

■フラ女将のみなさん
「私たちたぶん、世界でひとつのグループだと思うんです。着物をきてフラダンスを踊らせて頂いています。」

そんな珍しさもあり、フラを踊れば、たくさんの見物客。なぁには、海外の観光客もいました。そのステージで、フラ女将たちが売り込むのは、もちろん、いわき湯本温泉です。

■フラ女将のみなさん
「いわきはですね、黒潮と親潮が交わるところで、たくさんのいろいろなお魚がいわきではあがります。それを常磐ものといいますね。当館では煮魚が人気です。」

「フラ女将」は地元自慢の常磐ものの試食も訪れた人にすすめていました。

震災・原発事故から4年後の2015年、温泉街を守りたいと立ち上がった女将たち。

その姿は、かつてエネルギー転換で傾いた炭鉱の街・いわきを観光で救ったフラガールにも重なります。

そんな故郷への力強い思いは今、大阪・関西万博というステージで世界の人たちに伝わろうとしています。

■見た人は(神戸から)
「僕らも震災を経験しているんですよ。津波はないですけど、地震の怖さは知っているので、思うところはいろいろありますね。復興にちょっとでも協力できたら良いと思いました。」

■見た人は(ドイツから)
「とても心惹かれました。見られてよかったです。」

「見られてとてもよかったわ。ハワイのホノルルの雰囲気があります。とてもいいですね。」

「福島に行ったことはないけれど、行ったら楽しいと思います。」

■フラ女将 小井戸文恵さん
「震災から本当にみんなで頑張ってきたんですけど、この先どうなってしまうのかなと思う時期もあり、でもみんなと助け合いながら協力しながらここまでやってきて、よかったなと、踊りながらなんとなくじーんときました。」

「国内だけでなく海外の方に向けてもカタカナでフクシマと言われた時期もありましたが、本当に魅力ある福島、いわき湯本温泉の魅力と温かさと食べ物もおいしいですし、ぜひ来て頂いて、苦悩の先には夢もあるし、元気もあるし、明るく笑顔を届けていけたら良いなと思っています。」

目には見えない風評に苦しめられてきた女将たち。しかしいま、応援するたくさんの人たちとも出会うことができました。

あの日から14年あまり、女将たちは、万博というステージから再び温泉街の再興に向けて、歩み始めます。


(06/03 18:59 福島中央テレビ)

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