■計画から50年“奥羽新幹線” 福島で検討会発足…実現性は?(福島県)
福島、山形、秋田の3県のグルメなどを集めたイベントが21日に福島市で開かれました。
そのイベント名は「奥羽新幹線みらいフェス」。
この3県を結ぶ新幹線の構想があることを皆さんはご存じですか?
福島県産の魚介類=「常磐もの」のイカ焼きに、山形の特産「米沢牛」の串焼き、さらには、秋田名物「きりたんぽ」も会場に並びました。
福島、山形、秋田の東北3県のグルメなどを集めたこちらのイベント。ある目的のために開かれたんです。それが!
*大川悠輔記者リポート「福島市の駅前には福島、山形、そして秋田のグルメブースが勢ぞろいしています。こちらのイベント『奥羽新幹線みらいフェス』というイベントなんです。」
PRするのは、福島、山形、秋田の3県を結ぶ未来の新幹線「奥羽新幹線」です。
奥羽新幹線…皆さんはこんな新幹線があること知っていましたか?
実はおよそ50年前に政府が基本計画を作り、構想としては「ある」ものなんです。
*山形県総合交通政策課 梅津智さん「奥羽新幹線、フル規格新幹線が実現すれば山形、福島間もですし、東京間も含めて大幅な時間の圧縮が見込まれますので、ぜひ福島県の皆様にもこういった奥羽新幹線を改めて知っていただければと思いまして。」
福島と山形を結ぶ山形新幹線は、現在、在来線の区間を走る「ミニ新幹線」として運行しています。
仮に踏切のない専用レールで時速200キロ以上で走行する奥羽新幹線が完成すれば、東京・山形間は1時間台。
東京、秋田間は2時間台で移動できるようになります。
未来の新幹線構想に県民からは…
*南相馬市から訪れた人「概要は聞いていて、よりアクセスが良くなると、交流が増えていいなと思います。」
*福島市から訪れた人「使うんじゃないですか出身が秋田なので秋田に行くときは。普段は車です。」
移動時間の短縮に加えて、期待されているのが経済や観光などへの波及効果です。
福島、山形、秋田という新たな観光ルートができれば、それぞれの県にメリットが出てくると期待されているのです。
この日、3県の銘酒を販売していた業者からは?
*越後屋 水田博 代表「きょうは飲み比べセットが結構でていて3県に興味がある(人が多い)。(交流が増える)そう願いたい。こういうイベントがたくさんあればいいなと思いますね。」
しかし、計画から50年経っても実現していないのが現状です。
総事業費は、2021年の発表では1.5兆円ほどかかるとされ、さらに計画自体もほとんど知られていません。
こうしたなか、地域への影響などを分析しようと、今月、福島青年会議所が中心となり検討会が発足。
県内でも奥羽新幹線の実現に向けて活動がスタートしました。
*福島青年会議所まちづくり委員会南祐希委員長「まだまだ福島では認知がされていないというのが実情ですので、機運の醸成を図っていきたい。」
奥羽新幹線の整備をめぐっては、山形県内でその実現を求める動きが活発となっています。
隣接する福島県でも機運が高まっていくことを山形の関係者も期待しています。
*山形県 木村忠三県議「山形県だけでなく福島県とともに進んでいきたいという思い。課題はやっぱり長期的なプロジェクトなので建設費、スキームをこれからどうしていくのか課題があります。」
はたして、未来の新幹線「奥羽新幹線」の構想はいつ実現するのか。
県内でも今後の議論に注目が集まります。
(09/24 18:54 福島中央テレビ)
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