■事実上の与野党一騎打ちの構図のはずが…参政党の存在感 福島(福島県)
20日に投票が行われた参議院議員選挙についてです。1つの議席を争う福島選挙区は自民党の現職・森雅子さんが、4選を果たし、議席を死守しました。自民党と立憲民主党による与野党一騎打ちの構図とみられていた福島選挙区ですが、全国で台風の目となった「参政党」も存在感を示す戦いとなりました。
1つの議席を争う福島選挙区は、全国でも指折り数える注目の選挙区に。結果は、薄氷の勝利となりました。開票が始まってから2時間半あまり。自民党の現職、森雅子さんでした。
■喜びの声 自民 森雅子さん
「厳しいご指摘も批判も真摯に受け止め謙虚に愚直に皆様方とお約束したことをしっかりと果たしてまいりたいと思います」
振り返ると、この参院選。自身も関与した派閥の裏金問題や政権運営への不満など自民党に強い逆風が吹き、厳しい戦いを強いられました。
■自民 森 雅子 さん
「反省をし、出直しをし、私自身が自民党を改革し」
■立憲 石原洋三郎さん
「石原でございます!石原洋三郎でございます!」
そんな森さんに挑んだのは立憲民主党の新人で、元衆議院議員の石原洋三郎さん。およそ2万票差にまで票を詰める結果となりました。
■立憲 玄葉光一郎 衆議院議員
「石原洋三郎、いい男なんだけど、名前がまだ通ってないね…」
課題となっていた知名度不足ですが、後半は勢いをつけ情勢を見極めるのも難しいくらい、森さんとの接戦に持ち込みました。
■立憲 玄葉光一郎 衆議院議員
「今回、相手候補の対抗軸ということで決意して取り組ませていただいたところではございますが、私自身、反省するところでございます。」
当初は、事実上の与野党一騎打ちの構図とみられていた今回の参院選。そこに割って入ったのが…。
「1、2、参政党」
「参政党」です。福島選挙区に立候補したのは新人で会社役員の大山里幸子さん。SNSを中心に支持を広げる「参政党」。全国の選挙区では日を追うごとに旋風を巻き起こし、大山さんも県内で支持を拡大。蓋を開ければ18万4千票あまりを獲得し、善戦しました。
■参政党 大山 里幸子さん
「議席を得ることは叶いませんでしたが多くの県民の皆さま方が、この福島県をよくしたい、そして日本をよくしたいという熱い思いの方がたくさんいらっしゃったということがわかりましてこの福島県にも希望が見えたなと思いました。」
今回、福島では自民の森さんと立憲の石原さんが最後までどちらが勝つかわからない、大接戦となりました。
福島では自民党のベテラン議員に野党各党から支援を受けた立憲民主党の新人が挑む構図となりましたが、接戦となった背景の一つにあるのが今回も自民党に吹き荒れた「逆風」です。
■自民 星北斗県連会長
「非常に厳しい、厳しい選挙、これは自民党に対する風もそうですし、森先生対する風もあったと思います」
前回6年前の選挙では44万票あまりを獲得した森さんですが、今回の得票は32万票ほどに留まっていて、全国的な逆風の影響も受け野党候補に迫られた形です。そして、参政党ですが、福島選挙区では新人の大山さんが18万票あまりを獲得しました。今回の参院選で台風の目となった参政党ですが、県内でも与野党の陣営がその動向を注視するなど存在感を示しました。中テレが読売新聞とNHKと行った出口調査では年代別の投票先で10代から40代までで参政党の大山さんがトップとなり、若い層から支持を集めたことがわかります。また、参政党には自民党を支持する保守層の一部が流れたとみられますが、無党派層もおよそ3割が大山さんに投票していて、政権批判票が分散し立憲民主党の石原さんも思うように票を伸ばすことができなかったとみられます。従来の与野党対決に参政党という第三極が加わり、混戦となりましたが、知名度や組織力で勝る現職が全国的な逆風の中でも何とか議席を守った形となりました。
最後に投票率です。県内の投票率は、期日前投票も伸び、58.39パーセントと前回と比べ4点99ポイント上回りました。
(07/21 18:31 福島中央テレビ)
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