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「ロボットが作業をする未来が来た」福島で研究する“人型重機”の技術を大阪・関西万博で発信!(福島県)



華々しく開幕した大阪・関西万博。
万国博覧会というだけあり、華はやはり、海外パビリオンです。
宇宙探査などをテーマにしたのはアメリカ館。
伝統的な市場をイメージしたサウジアラビア館では伝統料理も楽しめます。

一方、そもそも万博は、これまで人類の課題解決に向けて、先端技術を発信する場にもなってきました。例えば、エレベーターや電話、最近では電気自動車など今や身近な技術の普及もこれまでの万博がきっかけでした。

実は今回の大阪・関西万博でも、ここ被災地・福島で研究されてきた未来のあの技術が、社会課題の解決に向けて、発信されることになっています。はたして、その技術とは…

■株式会社人機一体 飯田麻衣さん
「人型重機です。」

万博で発信されるのは、まるでガンダムといわんばかりのなんと「人型重機」の技術。
この技術の開発を進めるのは、南相馬市にも研究拠点を構えるベンチャー企業滋賀県の株式会社人機一体です。

人型重機は、例えば、鉄道の高所作業では、作業者が自分の手足のように機械を操作、人が遠隔で安全に、作業を進めることができ、JR西日本などと社会実装が進められています。

労働力不足など社会課題を解決するロボット技術。
大阪・関西万博でも5月の福島の復興展示で最新型の人型重機の実演が行われることになっています。
今回、野尻キャスターが、人機一体の社長 金岡博士に単独インタビュー。被災地・福島で開発を進める思いに迫りました。

■野尻キャスター
「人とロボットが一体となって自由にコントロールしていて、SF映画の中みたいだと感じた。」

■人機一体 社長 金岡博士
「まさにそういう世界を我々目指していまして、SF映画といいつつも、それこそ私が子どものときから描かれていたもので、それから30年、40年たって、もうそろそろ実現しても良いだろうと、いつまでもフィクションのまま留めておくようなことではない。もう実際に使われているので、そういうロボットが、人が操るロボットが作業をするような未来が来たんだということを、万博ではみなさんに実感して頂きたいと思う。」

■野尻キャスター
「東日本大震災から14年が経過しましたが、福島で研究開発を行う意義はどのように考えているか。」

■人機一体 社長 金岡博士
「我々の創業のきっかけが東日本大震災であった。私がもともとロボット工学の研究をしていて、その中で東日本大震災があり、特に原発事故に際して、ロボットが活躍できなかったということが我々の大きなモチベーションになっている。南相馬市が災害で大きな被害を受けたが、ロボット技術を使うことによって単にそれ(製品)が世の中に出るだけでなく、復興の糧となって、これまでよりもよくなったということを世の中に、世界に知らしめるための拠点としては、南相馬市は非常に適していると思う。」

東日本大震災から14年。
被災地・福島で生まれたロボット技術が、世界の人々の暮らしをより良いものに変えていく。
万博は、その発信の場にもなるのです。
開発の最前線にいる金岡博士には、やはり福島に特別な思いがありました。

■野尻キャスター
「福島発の技術がこうした世界に発信する場にあるということで、福島のみなさんにどんなメッセージを伝えたいですか。」

■人機一体 社長 金岡博士
「全世界の人にアピールできる場が万博。誰から誰に伝えるかというのが非常に重要だと思う。そして今回は復興展示ということもあり、福島で生まれたロボット、福島で作ったロボットが世界に対して明るい未来を発信することを、まさに発信者である福島のみなさんに知って頂きたいと思っている。」

一方、大阪・関西万博は、福島の復興を発信するチャンスでもあります。
こちらは、県産魚介類「常磐もの」の加工品を販売する新地町の「株式会社トーシン」
大阪・関西万博では…

■株式会社トーシン 代表取締役 日下とも子さん
「このタコシウマイをみなさんに食べてもらおうと思っています。」

こちらの会社では、原発事故で、窮地に陥った福島の漁業を再生させようと「常磐もの」を使ったキャンプイベントを開くなどさまざまな活動を続けていて、最近では、「常磐もの」のタコを使ったシュウマイも開発。その取り組みは、日本シュウマイ協会のシュウマイオブザイヤーに輝くなど注目を集めています。代表取締役の日下さんは、万博をチャンスととらえ、5月の復興展示で、会場で訪れた人にタコシウマイを試食してもらうなどしながら、漁業復興への思いを語るそうです。

■株式会社トーシン 代表取締役 日下とも子さん
「私たちが届けたいのは、ただの名物ではなく物語。福島の海を信じて、未来を信じて、世界の人々とつながってきたい。大阪・関西万博という国際的な舞台で福島の復興と挑戦の今を伝えたいです。」

大阪・関西万博は、10月13日まで184日間、大阪・夢洲を会場に開催されます。

(04/16 19:18 福島中央テレビ)

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