■学校プールや水泳授業見直し 県内で民間委託する自治体も・福島(福島県)
連日、気温が高い日が続き学校でプールの授業を楽しみにしている子どもたちもいるのではないでしょうか。
そんななか、学校でのプールの授業についてこれまでの形を見直し、民間との協力を目指す動きが県内で広がっています。
郡山市のスイミングスクールで行われていたのは…
■女の子
「プールどうでした?」「楽しい!」「ブクブクってやるとかバタバタってやるとかが楽しかった」
■男の子
「泳ぐの楽しいです」
近くの小学校に通う子どもを対象とした水泳の特別授業です。
■スウィン大教スイミングスクール郡山北 菊地 隆一郎 スクール長
「きょう初めてプールに入る子たちだったので歓声が聞こえて。楽しそうでよかったと思います」
子どもたちは少人数のグループに分かれ、スクールの指導員がじっくりと基礎から教えます。
子どもたちに水難事故から身を守る力をつけて欲しいという思いからこの特別授業は、ボランティアで30年以上にわたり毎年、行われています。
■スウィン大教スイミングスクール郡山北菊地隆一郎 スクール長
「年間でも30件から40件、子どもの痛ましい事故というのは毎年起こってますのでとにかく減らしていきたいと思っています。学校とわれわれ民間のスイミングスクールがお互いに協力しあいながら子どもたちのためになる授業が出来れば非常にいいかなと思ってます」
民間の力を借りたプールでの水泳授業を、県内では委託という形で積極的に取り入れている自治体もあります。こちらは須賀川市立第二小学校。
■須賀川市教育委員会施設管理係 中村裕輔さん
「一部の学校については、民間委託という形で実施をしています」
市内の小中学校24校のうち半数以上の14校で水泳の授業を民間に委託している須賀川市。
学校プールの老朽化が課題となるなか、築30年以上のプールがある学校について4年ほど前から水泳授業のあり方を見直しています。
文科省の調査ではプールの建て替え費用に加え維持管理費用などをあわせると民間に委託した方がコスト削減につながった事例も。
また、学校プールといえば多くの場合屋外にありますが…
■須賀川市教育委員会施設管理係 中村裕輔さん
「昨今の猛暑ですね。気温が上がりすぎていて授業が出来ないということがあったりします」
須賀川市では委託する民間プールはすべて屋内にあるため気温や天候に影響されず、授業が可能に。
さらに水泳専門の指導員による授業を受けられるというのも大きなメリットです。
■須賀川市教育委員会施設管理係 中村裕輔さん
「習熟度別に教えることによって、泳げる子はより泳げるように。苦手な子はそれでも泳げるようにとしっかりとした効果が出ています」
また、全国ではプールの水を止め忘れその水道料金を校長や教職員が賠償する事例も起きていて学校プールの管理について教職員らの過度な負担も指摘されています。
プールの老朽化や近年の猛暑、そして、教職員の負担。
今後、県内でも学校プールや水泳授業の見直しが広がっていきそうです。
県内の自治体の対応は?
いわき市…プールの老朽化のため4年前から小学校1校で民間委託。
郡山市…モデル事業として民間委託を行っていて今後の方針を検討中とのことです。
会津若松市…2024年小学校1校で民間委託を始め、学校からは好評だったため2025年は3校に広げます。
福島市…4校で民間委託を行うほか1つの学校のプールを2校合同で使ったり、市が運営する公共プールを利用する動きがあります。
民間委託ではない形で水泳授業を改革している例も。
天候に左右されない、プロの指導を受けられるなど良い点も多い民間委託ですが、一方で受け入れ先の確保や委託先までの移動手段が課題となる場合もあります。
学校の児童数や立地などによってベストな授業の形は、それぞれですが子どもたちが安全に楽しく授業に取り組むための見直しが今後も進んでいきそうです。
(06/19 18:41 福島中央テレビ)
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