■川沿いが福島市街地への熊の通り道に… 熊の出没を食い止める装置設置 8月は熊2頭が引き返す(福島県)
福島市では、今年の夏は市街地での熊の出没が相次ぎ、熊とどう共生するのか、まちづくりを巡る1つの課題となっています。こうした中8月に、熊が出没しやすい川沿いにある仕掛けが設置されました。熊を傷つけず、人と熊との境界線を設けるその仕掛けとは。
今年6月、福島市に出没した熊。熊が現れたのは、JR福島駅からわずか1キロほどの住宅街でした。この熊がどこから来たのかは分かりませんがこの時、熊は川沿いを移動し、市街地に近づいたり離れたりを繰り返していました。熊が暮らす山と繋がり、隠れることもできる茂みがある川沿いは、熊にとってまさに「メインストリート」。ここで熊を寄せ付けない対策がとれれば、市街地への出没を食い止めることに繋がります。そこで、福島市が導入したのが…。
■王国屹記者リポート
「川沿いに設置されたこちらの装置。近づくと鳥の鳴き声のような甲高い音が鳴ります。不快感を覚える音です」
熊の嫌がる音を出す装置です。熊の出没が相次ぐ福島市荒川の上流6か所に、8月に設置されました。装置に熊が近づくと、センサーが反応し、複数の音がランダムで出る仕掛けです。
熊の生態に詳しい専門家は…。
■福島大学 食農学類 望月 翔太 准教授
「音がランダムに鳴るようになっているので、熊が学習しにくい。河川沿いの移動をなんとか食い止めることができるかが、福島市内の熊対策では大きな意味合いを持っています」
実際、効果はあるようです。装置が設置された場所では8月、熊2頭が、この音を嫌がって山に引き返す様子がカメラに映っていました。
熊対策で大切なのは、人が暮らす場所と熊が暮らす場所の境界線をしっかり確保し、距離をとるということ。熊を市街地に近づけないよう、住んでいる人自らが対策をとることも求められます。
■福島大学 食農学類 望月 翔太 准教授
「河川沿いでは、河川の周辺の刈り払いなども併用しながら、色んな対策を組み合わせて熊出没に対応することが求められることです」
(09/09 19:01 福島中央テレビ)
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