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鍵を握る「1人区」福島選挙区 与野党“接戦” 当選確実はまだ・福島(福島県)



事実上の政権選択選挙とも言われる今回の参院選。
福島選挙区では、5人が立候補しましたが、20日午後8時現在で当選確実の候補者はまだ出ていません。

まずは、最新の出口調査の予測です。
福島中央テレビは、読売新聞とNHKと合同で県内32か所の投票所で投票を終えた約2500人に出口調査を行いました。

現職と新人あわせて5人の戦いです。
その結果、自民党の現職・森雅子さんが34.3%、立憲民主党の新人・石原洋三郎さんが32.4%の得票が予測され、一騎打ちの様相です。残る3人は厳しい展開です。

現時点で、どちらが当選確実になるかは、判断できない状況です。
今回、福島では自民の現職・森さんと立憲の新人・石原さんの与野党対決となりました。

森さんは参院議員を3期務め、これまで法務大臣や少子化担当大臣なども歴任しています。

前回2019年の選挙では相手の野党候補に10万票以上の差をつけて再選するなど、盤石の戦いをしましたが、今回の選挙戦は一変して厳しい選挙戦を強いられました。

その大きな理由の1つが自民に対する「逆風」です。
政治とカネの問題などで2024年の衆院選で大敗した後も逆風は続いていて、陣営もこれまでにない「厳しい選挙」と話していました。

福島も選挙全体の勝敗のカギを握るとされる「1人区」の一つということで、公示日翌日には石破総裁が県内に入り支援を呼びかけました。

また、知名度の高い小泉農水大臣が選挙戦後半に2回県内入りするなど、党も福島を重点区に位置付け、てこ入れを図っていました。

一方、今回、立憲の新人・石原洋三郎さんは野党各党から支援を受けて選挙戦を戦いました。
石原さんは福島市出身でこれまで衆院議員や福島市議の経験があります。

今回の選挙で石原さんは国民や社民、そして労働組合で作る連合などから支援を受けました。

また、独自候補の擁立を予定していた共産も公示直前に石原さんへの一本化を決め支援に回りました。

福島市を地盤とする石原さんですが課題は知名度ということで、遊説では2024年の衆院選で当選した。
5人の地元国会議員がそれぞれ石原さんと全県を回り浸透を図っていました。

激戦の1人区で全国的な注目も集まるなか、石原さんのもとには野田代表を始め連日立憲の幹部らが応援に駆け付け、支援を呼び掛けていました。

接戦の背景は何なのか。

前回選挙では盤石な戦いをしていた自民の森さんですが、今回の選挙では、政治とカネの問題から続く「逆風」や「岩盤支持層」の支持離れなどの影響を大きく受けたとみられます。

2024年の衆院選で自民は大敗を喫し、衆議院で与党が過半数を割り込む少数与党に転落しました。

政治とカネの問題を巡っては、森さん自身も政治資金収支報告書に不記載が発覚し釈明に追われました。

ある陣営幹部は「前回の参院選とは全く空気が違く、自民に対する逆風が続いている」と話していました。

また、連立を組む公明はこれまでの選挙で自民候補に推薦を出してきましたが、今回収支報告書への不記載問題を受けて、森さんへの推薦を見送る異例の対応を取りました。

選挙戦の演説で、ある公明関係者は「森候補を全力で応援する」と強調しましたが、こうした動きが選挙戦にどう影響したかも注目されます。

そして、今回の選挙では全国的にも話題となっている参政党の躍進というのも影響があったのでしょうか。

全国でも参院選の台風の目となった参政ですが県内でも政権批判票の受け皿などとして支持を広げたとみられます。

5年前に誕生し、SNSを中心に支持を広げる参政からは郡山市の大山里幸子さんが立候補しました。

神谷代表も駆けつけた街頭演説会には、多くの支持者らが集まり、スマホで撮影や中継を行う人もみられました。

こうした状況に自民関係者は「保守層を中心とする岩盤支持層が参政に流れている」と危機感を示していました。

一方で立憲関係者も「無党派層などの政権批判票が参政に流れる可能性がある」と話すなど与野党ともに大きく支持を伸ばす参政の動向を注視していました。

(07/20 20:53 福島中央テレビ)

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