■人口減少問題解決へ…特命チーム本格始動 福島(福島県)
福島に限らず、全国の地方で大きな課題となっているのが人口減少問題です。特効薬がないとも言われる人口減少問題。そこにどう臨むのか、県内では、特命のチームが動き出しています。
JR福島駅のバス乗り場。こちらの貸切バスには会社員風の人や学生らしき若い人も乗り込んでいきます。みなさんはいったい?
■みなさん
「須賀川市役所文化振興課です。」「日東紡 富久山事業センターです。」「福島大学行政政策学類です。」
所属もバラバラですが、みなさんには、大事なミッションが…
■復興・総合計画課 庄司 康正 課長
「福島県の人口減少、本当に大変厳しい状況です。」「県だけで何かできるわけではないので、企業・団体のみなさん、市町村の皆さんなどあらゆるみなさんにご協力頂いて」
実はこちらの団体、危機的な人口減少問題に、オール福島で立ち向かう、特命チーム、その名も「ふくしま共創チーム」。県がことし7月に自治体、企業、大学など、6百を超える団体で立ち上げました。この日から、いよいよ県内各地での活動が本格的にスタート。中通りでチームが訪れたのは、福島市のお菓子の卸売会社。先進的なオフィスづくりで知られるこちらの会社で探るのは、働きやすい会社の秘密です。若い人たちが働きたい!そんな会社が福島に増えれば…それが、すなわち人口減少対策になります。
■渋谷レックス 秡川 奈々さん
「ここで働く皆さん、社員さんとパートさんの全員分のロッカーを2階の一番奥において、必ず全員が通る場所を階段にした。みなさんの目に入るところにこういったアートを入れて、みんなが少しでも働きやすい、きょうも頑張って働こうというようなこととか…」
社内にちりばめられた働きやすい会社の秘密、それはオフィスのデザインだけではありません。
■渋谷レックス 渋谷 裕司 社長
「福島にもしかしたらゆかりがない、けど魅力を感じる就職先、民間であるということを目指そうと。就職先として選択してもらおうと、それを目指している。」
例えば社員研修ひとつとっても、こちらの会社、従来の発想と大きく異なりました。
■渋谷レックス 渋谷 裕司 社長
「例えば社員研修とかいって、会社のために研修するって全然気合が入らない。なんで会社のために研修をしなくてはならないのかなと。実際そうだと思う。自分たちというかその人の価値をどう高めるかということに考えをうつしてほしいと思っている。うちの会社で働いている人が一生働き続けるかはわかりません。もしかしたら就職(転職)するかもしれない。その時、面接を受ける。その時に市場価値が高ければ高いほどその人はもしかしたら、好きなことができるかもしれない。良い仕事を任せてもらえるかもしれない。そういった市場価値を高めるということを、個人個人が考えて研修を受けてほしい。機会を大事にしてほしい。願わくば、そうして成長した人たちの能力をこの会社で使ってもらう。この会社で使ってもらうには、この会社がそんな人たちが働く魅力ある場所でなければならない。」
そんな思いもあり、こちらの会社は、社員に定期的に満足度を調査するなど、働きやすい会社を目指し、あくなき挑戦を続けています。その結果…
■渋谷レックス 渋谷 裕司 社長
「ありがたいことに来年入社する一番遠いのは神戸かな。兵庫県の出身の方がいて福島ってどこでしたっけって感じなんですけど。なんとか入社頂けるようになって」
遠く離れた西日本からも入社希望があるほど!視察を終えたチームのみなさん、人口減少対策の良いヒントはありましたか?
■福島大学行政政策学類 平井 胡
桃 さん「刺激的で、すごく視認性にあふれる会社で私も働いてみたいと思った。」「コミュニケーションが円滑に図られていることが良く伝わって、今までの私の働き方の固定概念(誤用:観念)が変わる貴重な経験だった。」
■エフコム 桝田 康平さん
「変化に恐れないで飛び込むというのをすごく感じた弊社としても勉強になった。」「長くその場で暮らしていこうと思えるようなそういう素敵な会社をまず作ることがひとつの重要なステップだと思う。」
このまま減少に歯止めがきかなければ、福島県は現在1百70万人ほどの人口が、2千50年には、1百29万人ほどにまで、落ち込むとみられています。その喫緊の課題に、動き出した特命チーム。県内各地で活動を始めていて、そこで得たヒントは、今後の県の施策にも生かされるということです。
(09/23 18:39 福島中央テレビ)
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