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不漁が続く「スルメイカ」福島のいかにんじんにも影響が… (福島県)



近年、記録的な不漁が続いているのが「スルメイカ」で、市場関係者も頭を悩ませているといいます。福島を象徴するあの名物料理にも大きな影響が及んでいます。

威勢のいい掛け声が響くこちらは「郡山市総合地方卸売市場」。この日も、大きなマグロに!マダイやヒラメ!さらには牡蠣と!様々な「海の幸」が並んでいました。一見すると、充実しているなと感じますが、市場関係者は、あるものがないと、肩を落とします。

■株式会社郡山水産 鮮魚部副部長 遠藤和也さん
「きょうもイカがないのかというちょっと諦めムードになっていますね。ここ最近。」

そう、スルメイカです!今が旬で一昔前は、郡山の市場にも多くのスルメイカが入ってきたと言います。ただ…

■株式会社郡山水産 鮮魚部副部長 遠藤和也さん
「きょうですね、入荷のほうは0です。」「本当にさびしいですよね」

この日もやはり、入荷はありませんでした。刺身にしてもおいしく、イカは、日本の食卓に身近な存在です。しかし、その出荷量は著しく減っていて。全国32の漁港で出荷された生のスルメイカは2013年はおよそ7万2千トンでしたが直近の2023年にはおよそ9千5百トンとなっています。最近は、漁に出る船の燃料代の高騰などもあり入荷したとしても、価格はかつての3割から4割ほど高いと言います。

■株式会社郡山水産 鮮魚部副部長 遠藤和也さん
「全てにおいて値上げになっていますので、かなり漁師さんも厳しい状況が続いていると思います。」

海水温の上昇など、スルメイカの生育環境の改善は見通せず、この先も厳しい状況が続くと市場関係者は見ています。

このスルメイカの記録的な不漁。福島のあの名物料理にも影響が及んでいます。

「こちらですかね、いかにんじん」

そう、「いかにんじん」です。文化庁の100年フードにも認定される福島の郷土料理で、スルメイカは、無くてはならない存在です。

■森藤食品株式会社 専務取締役 森藤洋紀さん
「去年今年から一気にぐあっと(価格が)上がっている感はあります。」「これ以上、イカが上がるのであれば、潔く値上げせざるを得ない」

こちらの店では一袋、562円でいかにんじんを販売しています。2年前に、一度値上げしましたが、その後は、スルメイカの量を調整しながら今の価格を維持しています。

■森藤食品株式会社 専務取締役 森藤洋紀さん
「もちろん状況が好転して、昔のようにどんどん使って、いい商品にはしていきたいとは思うんですけど値段上げるしか、今より少ないのはないですね」

満足感が失われないよう絶妙なバランスにしているとはいいますが、「いかにんじん」にはそもそもスルメイカの胴体だけを使うため、コストがかかるといいます。なんとか、値段が下がることだけを願っています。

■森藤食品株式会社 専務取締役 森藤洋紀さん
「ここがもう最終ラインかなとは思ってます。頑張ってます。」「身近なものだったのが、こんな高級になっちゃうのは残念過ぎますね」


(07/25 18:49 福島中央テレビ)

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