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「つくった牛乳をみんなに飲んでもらいたい」葛尾村で描き続けた酪農家の夢・福島(福島県)



葛尾村で代々続く酪農一家に生まれた佐久間亮次さん。
家族のために働く父・哲次さんの背中を見て、自然と大きくなったら酪農の道へ進むと思っていました。

しかし…14年前に起きた原発事故。
福島第一原発から20キロあまりの葛尾村でも。

■父・佐久間哲次さん
「戻ってこられたのが3月18日、その時には牛が何頭も死んでいた」

原発事故で村は避難区域に指定され立ち入りも制限されました。
それでも亮次さんは夢を言葉にし続けました。

■葛尾村 佐久間亮次さん(当時中学生1年生)
「僕の将来の夢は、酪農家になることです」

息子の言葉を支えにして、父・哲次さんは原発事故から7年半が経った2018年牧場を再開させます。

亮次さんも高校、短期大学校と進学し寮生活をしながら酪農を専門に勉強。
休みの日には実家に戻り仕事を手伝いました。

そして、2025年3月 卒業の時を迎えました。

■父・佐久間哲次さん
「小さい頃から避難生活とか、そういうのからスタートしてるから。そういうのをいろいろ考えているとね、やっぱり年をとったのか、涙が出てくる」

亮次さんの担任の先生からもエールが…

■亮次さんの担任の先生
「現場でもすごく頼りになるって聞いてます。でももっと佐久間君伸びしろが大きいと思う、がんばってください、佐久間牧場の経営者」

学び舎での日々を通じて亮次さん、少したくましくなっていました。

■葛尾村 佐久間亮次さん
「自分1人で牛舎をまわせるようなできるくらいまでに教えてもらったのがそう考えると成長したのかな。3月の間にいろいろ叩きこまれたので、4月になって1人でもできるように頑張っていきたいと思います。」

葛尾村にある実家の佐久間牧場に就職した亮次さん。
同級生3人も入社し、そろって父から作業着を手渡されました。

震災と原発事故に振り回されながらも14年間変わらず描き続けた“夢”

■葛尾村 佐久間亮次さん
「自分の家でつくった牛乳をいろんな世界の人に飲んでもらえるようになりたい、できればいいなと考えてます」

故郷・葛尾村の牧場で、親子の歩みは続いていきます。

(04/15 18:20 福島中央テレビ)

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