■被災地・浜通りを「映画の地」に FFFAward 2025グランプリが決定 福島(福島県)
被災地・浜通りを、「映画の地」として盛り上げていこう!そんな挑戦が始まっています。東京都で、福島を舞台にした映画の企画コンペが開かれました。福島に思いを寄せる日本映画界のトップランナーもそれを支えようと集結しました。
11月2日、東京国際映画祭が開かれていた東京・丸の内。ここで、ある映画イベントが開かれていました。
■司会
「審査員長映画監督犬童一心様」
■審査員 犬童一心氏
「犬童です。きょうはよろしくお願いします。」
■司会
「映画プロデューサー小川真司様」
■審査員 小川真司氏
「小川でございます。」「心して審査しますので、よろしくお願いします。」
日本映画界の第一線で活躍するプロデューサーや脚本家などが集結。そこで始まったのは…
■司会 開始音
「只今よりFFFAward 2025 最終プレゼンテーション審査会を開始いたします。」
福島・浜通りを舞台にした映画の企画を競う、「FFF Award」、福島の被災地・浜通りを「映画の地」として、盛り上げていこうとことし初めて開かれました。この日は1百57の応募企画から選ばれた、ファイナリストの5作品を犬童一心監督など福島に思いを寄せる日本映画界のトップランナーが公開で審査。その5作品は…。
■ファイナリスト 三嶋 龍朗さん
「主人公たち4人だけでなく、避難民と地元民が共に暮らす浜通り全体の問題にも通じていると感じている。」
震災に関するものや…
■ファイナリスト 亀山睦木さん
「この廃炉という工程というか作業と言いますか、その課題について、映画を通してエンターテインメントという形ではあるが」
原発をテーマにしたものも。
■ファイナリスト 吉田香織さん
「お母さんとそのおなかにいた妹を一緒に亡くしてしまった子、」
プレゼンでは、震災の記憶に、涙するファイナリストもいました。
■吉田香織さん
「死んでしまった人に大切な人にもう一度会いたい、被災者だけでなく、大切な誰かを失った経験がある人なら誰しもが抱く、普遍的な願いではないでしょうか。」
中には、こんな企画も。
■平田雄己さん
「この企画は別れを前にした中学2年生放送部の3人が、今はなき原町無線塔に向けられた宇宙からの信号を受信したことから物語が始まります。」
かつて旧・原町市にあった、原町無線塔をモチーフにした、青春SF映画までありました。審査員席からは、ファイナリストたちに、監督やプロデューサー目線の質問が次々とあがりました。
■審査員 小川真司氏
「3日じゃないですか撮影がこれって3日で撮れるの?」
■審査員 山本晃久氏
「メルトダウンデブリを太陽系の外にもちだす、ラディカル(過激な)な問題、それって大丈夫なんでしたっけ?みたいな。」
一方で、福島に思いを寄せて集まった、日本映画界のトップランナーたち。福島浜通りから新しい映画の才能を飛び立たせたいと、ファイナリストたちにアドバイスも…。
■審査員 小川真司氏
「一発ネタでどんでん返しのエンディングがあれば成立すると思うんですけど、長編だとそれだけでは足りない。」
■審査員 犬童一心氏
「ヒューマノイドがそのことを尋ねたくなること自体がこの脚本上、一番のドラマだと思う。」
■審査員 高崎卓馬氏
「設定も、視点も、主人公が背負っているものも、見てみたいというか、彼がどうやってフィルムの中で生きていくか見ることが、ぼくらにとっては救いになる。」
こうして5作品の白熱の審査が終了。グランプリに輝いたのは…
■審査員 犬童一心氏
「FFFアワード2025のことしの受賞作は3番の平田さんの『サマー・サークル 〜夏の終わりに描く声〜』」
浜通りで暮らす中学生3人が、ミステリーサークルを描き、宇宙と交信しようとする青春SFストーリー。原町無線塔をモチーフにしたあの作品です。
■武中志門さん
「プレゼンの中でも話したが、原町無線塔という題材をモチーフをもったときに感じたあのワクワクをしっかりだせる作品をこのチームで作っていきたいと思う。ありがとうございました。」
表彰式は後日行われ、賞金1百万円が授与されます。さらに、実行委員会が中心となり、映画の制作をサポートするということです。
■審査員 犬童一心氏
「この賞が長く続くことを望んでいるので最初の作品が良い映画であってほしいそのことが重要、ものすごく重責を植え付けようとしている。この一作がこのあとの十作につながるくらいのつもりで良い作品を作ってほしい。」
■審査員 山本晃久氏
「良い映画を作る、良い映画を見せてほしい。僕らはそれに対して、サポートしたいと思うし。」
■審査員 小川真司氏
「全力でちょっと浜通りと向き合っていただきたいなというのが審査員一同の希望です。」
福島の被災地・浜通りを、「映画の地」に…。その挑戦が動き出しています。
(11/04 18:46 福島中央テレビ)
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