■秋田市・沼谷市長が公共施設4か所を今年度で廃止する方針を明示「将来負担の軽減・平準化に努めることが急務」 財源確保のための事業見直しの第一弾 (秋田県)
秋田市の沼谷市長は、60歳以上の市民や子どもたちが、交流・憩いの場として活用する市内の公共施設4か所を今年度いっぱいで廃止する方針を明らかにしました。
4日から始まった定例の市議会で表明したもので、就任以来繰り返し述べてきた、財源確保のための事業見直しの第一弾です。
今年4月の就任以来、市議会に出席するのはこれで3回目となる沼谷市長。
選挙で当選し、市長のイスに座り始めてからは、まもなく5か月が経ちます。
先日、市内で行った講演の中で、市のトップを務めるにあたり、共に働くことになる市の職員には不安もあったのではないかと打ち明けていました。
沼谷市長
「現職の市長さんが『俺まだ頑張るぞ』と言ってお座りになってるところを…『本当すいません、先輩、どいてください』という選挙でありましたから、どかされることになる方もどかす方も、市役所の職員の皆さんも、全く想定ができない。そういう意味では市役所の皆さんも心の準備がなかなかできない状況だったと思います」
4日から始まった市議会の冒頭で沼谷市長が新たに示した方針は、一部の市民にも、心の準備を求めることになる内容です。
沼谷市長
「八橋・大森山・飯島の『老人いこいの家』3施設と、『雄和ふれあいプラザ』については、老朽化による改修等に多額の費用が予想されることや、利用状況が著しく低迷していることなどから、今年度末での廃止が適切と」
秋田市八橋地区などにある「老人いこいの家」と雄和地区にある「ふれあいプラザ」は、60歳以上の市民が利用できる施設で、一部は子どもも利用できます。
市民の交流や憩いの場として活用されていますが、老人いこいの家については、いずれの施設も、完成から50年近くが経過しています。
昨年度の利用者は、多いところでも1日50人ほど。少ないところでは、1日10人ほどでした。
沼谷市長は就任以来、財源確保のため、施設や事業の見直しを進める方針を示していて、4日も改めてその考えを説明し、理解を求めました。
沼谷市長
「本市が保有する公共施設については、建物の老朽化やニーズの多様化等に対応しながら、全ての施設を維持していくのは困難であり、持続可能なサービスを提供していくためには、複合化や廃止等による保有量の見直しを図り、将来負担の軽減・平準化に努めることが急務となっております」
市は、今の議会の中で、将来的に改修にかかる費用なども示すことにしています。
一方、様々な施設や事業の見直しによって確保する財源を充てる可能性もあるスタジアム整備については、今回の議会で大きな進展がない見通しです。
沼谷市長
「今のところ予定として確定的に9月のこの議会中に何か議会の方にご報告できるという状況…確定的にはそういう状況ではない」「状況の進展があれば、あるいは緊急的にしなければいけない状況があれば当然させていただきたいと思いますが、現時点ではまだそういったところまで煮詰まっていない」
秋田市は、施設の新たな建設と、既存の施設の改修、それぞれの事業費やスケジュールについて、仙台市の大手設計事務所に、調査を依頼していて、中間報告の提出も求めています。
本格的な調査は、先月始まったばかりのため、今回の議会では、中間報告の時期や、設計事務所との話し合いの経過を説明するにとどまるとみられます。
(09/04 18:07 秋田放送)
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