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辞任表明の石破総理 側近のひとり、秋田1区選出の冨樫博之衆議院議員と直前に交わした言葉とは… 秋田(秋田県)



石破総理大臣が7日、辞任を表明しました。

総理の側近のひとり、秋田1区選出の冨樫博之衆議院議員に経緯や辞任表明直前に交わしたという石破総理との電話について聞きました。


■石破総理が辞任表明「地方創生はもっとも成し遂げたい事業のひとつだった」

石破総理
「地方の育ちであるそして初代の地方創生相を務め地方の疲弊そういうものを実感している私にとって地方創生は最も成し遂げたい事業のひとつでございました」

会見の中で自ら掲げた政策が道半ばであると無念さを強く滲ませた石破総理。

一方で衆議院解散が選択肢にあったことも明らかにしています。

■「いままで頑張ったけれども申し訳ない」冨樫議員へ石破総理から電話

石破総理の側近で、初当選以来、国会でともに行動してきた秋田1区の冨樫博之衆議院議員。

秋田市仁井田にある事務所の壁に貼られた石破総理との2ショット写真の数々。

冨樫議員の携帯電話には秘蔵の写真も保存されています。

冨樫議員「うちの部屋(議員宿舎)にきてきりたんぽごちそうしてやったの」
秘書「残ったきりたんぽ持っていったっていうもの」
冨樫議員「(笑い)あまりにおいしくて」

去年の自民党総裁選挙では推薦人にも名を連ね石破総理の誕生を後押しした冨樫議員。

7日午後、総理が辞任を表明する数時間前に自ら電話をかけてきたといいます。

冨樫議員
「直接総理からは『いままで頑張ったけれども申し訳ない』と『かえってご迷惑かけた』と。私からはご苦労様だと『何も言わなくたってわかるから いいよ』とそういう思いで受け止めましたし」
「最後は自民党が分断するとこれは大変な話になりますので、そういうことも熟慮に熟慮を重ねて今回(辞任)に至ったと」

石破総理のもとで地方創生を担う総務副大臣を務めてきた冨樫議員。

少数与党という不安定な政権運営の中『石破カラー』を打ち出そうとしたものの、党内基盤も弱く乗り切ることができなかったと総理を慮ります。

冨樫議員
「自民党の中の体制からいうとできることとできないことがある」「党の中の仕組み・組織もあるのでそこを上手く回していくとすると飲み込まなければいけない(譲歩する)ことがいっぱいでてくる。だから言っていることとやっていることが違うじゃないかと言われる。そういう思いは石破さんは忸怩たる思いで受け止めながらこの1年間頑張ってきたんだと私はそう思いますよ」
「男同士だから余計な言葉はいらないと思います」「また一緒に頑張りましょうとこういう話で酒でも酌み交わしながらお話したいなと思います」

■秋田県連結論を出す前に…意見は真っ二つに割れていた

自民党は8日、臨時の総裁選実施を巡り国会議員や地方組織を対象に意思確認を予定していました。

秋田県連は結論を出す事なく手続きは中止されました。

加藤鉱一副会長
「総裁選前倒しには賛成する意向ではあった」

秋田県連では前倒しを求める意見と石破総理続投の意見が真っ二つに割れていました。

加藤鉱一副会長
「(県連としての意思を)早々と表明をする感じではなかったのは事実でありますから」「受け止めとしては(総理自らの辞任表明は)よかったのではないかなと思います」

一方で、総裁選の前倒しが決まれば「総理は解散に打って出るのではないか」という情報が駆け巡り、自民党所属の県議会議員の間でも緊張が一気に高まりました。

ある自民所属県議
「石破さんのまま解散・下野なら離党する人も出てくるのでは」
「県政与党を守るために自民の看板ではなく地域政党的な運営も選択肢に入ってくる」

■鈴木知事「地方を大事にする人で期待はしていたが…」

石破総理の辞任表明を受けて鈴木知事は、国民の生活や国益を優先して政治を進めてほしいと述べました。

鈴木知事
「秋田県からしても経済対策であったりとか、コメ政策であったりとか洋上風力事業のことであったりとか。速やかに進めていただきたいということが多数ありますので、そこの政策の推進というものに支障がないようになればいいなと祈っているところです」

■「政治の混沌はより深くしばらく続く」石破総理取材歴20年のジャーナリストの今後の読み

踏み絵となる判断は避けられたものの、自民党は少数与党としての厳しい国会運営が依然として立ちはだかっています。

今後の焦点は総裁選の顔ぶれや形式、時期についての議論に移ります。

石破総理を20年来取材してきたジャーナリストの鈴木哲夫さんは、総裁選を党再生の契機にしたい自民党にとって茨の道は続くと話します。

鈴木哲夫氏
「石破さんが降りて新しい総裁を選んだからこれで政治が普通に戻るということでは全くなくって」「私はそういう意味では、野党も試されている。自民党の総裁が誰になるかばっかりがこれからニュースになりますけれども、実は野党が試されているんですよ。野党はひとつになったら次総理とれるんですから。だから政治全体が試される」「だから石破退陣というのは決着でもなんでもなくて、政治の混迷というのはより深くしばらく続く可能性があるのかなと思います」

(09/08 18:14 秋田放送)

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