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山林火災で自宅全壊 18歳男性が自衛隊入隊 家族で門出の日迎える(岩手県)



滝沢市の陸上自衛隊岩手駐屯地で12日、自衛隊候補生の入隊式が行われました。候補生の中に大船渡市の山林火災で被災した18歳の候補生がいました。火事で思い出の写真がすべて失われた中、家族全員で門出の日を祝いました。成田記者のリポートです。

家族全員と記念写真を撮影していたのは大船渡市に住む袖野雄さんです。

12日、長男の瑞己さんが自衛官候補生として岩手駐屯地に入隊しました。

袖野瑞己さん
「周りから信頼されるような自衛官を目指したいと思います。これからきつい訓練とかもあるんで、それに頑張って耐えて修了できるよう頑張りたいと思います」

袖野雄さん
「自宅に火が上がっているところも自衛隊さんに消火活動していただりとかしたので、そこの一員になれるような感じで、頑張って耐えろという感じですね」

ことし2月26日に大船渡市で発生した大規模な山林火災。
赤崎町の外口地区にあった袖野さんの自宅は全焼しました。

14年前の東日本大震災の時も市内の別の場所にあった自宅を津波で失った袖野さん。
2度の災害で失ったのは家だけではありません。

袖野雄さん
「長男のものが、写真とかDVDとかっていうのが、津波の時に一回、全部なくなっちゃったんですよ、 保育園の時に。こうしてまた火災ですべてなくなっちゃったんで、長男だけは何も思い出すら写真とかそういうの形として残せてやれなかったのが正直ショックだったですよね、燃えた時は」

かけ声
「前へ〜進め!」

真新しい制服、引き締まった表情で入隊式に臨んだ瑞己さん。

瑞己さん宣誓
「必要な知識及び技能の習得に励むことを誓います」

袖野さんは、決意を胸に大きな一歩を踏み出した息子の姿をしっかりと目に焼き付けました。

山林火災の発生からまもなく2か月。
この日は家族の新しい思い出ができ、大切な日になりました。

袖野雄さん
「こうやって制服とか着た姿を見ると、もうなんか、 社会人としての一歩を踏み出したなという感じで、楽しみです」


(04/14 18:48 テレビ岩手)

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