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漁業本格復興目指して 借り受けた定置網で漁開始準備 綾里漁協 大船渡山林火災(岩手県)



ことし2月に発生した大船渡市の大規模林野火災です。火災で、定置網を焼け失った三陸町綾里の綾里漁協が、借り受けた定置網での漁の開始を目指し、網の補修作業を行っています。

今回の山林火災で綾里漁協では、港にあった倉庫が全焼し、保管してた定置網漁の網4セットを焼失しました。定置網漁は例年、養殖ワカメのシーズンが終わった5月に始まりますが、網を新たに注文しても時間がかかるため、漁の開始のめどは立っていませんでした。

そんな中、釜石市に本社がある水産会社が、この時期使用していない定置網を無償で貸し出すと申し出ました。港では26日から、借り受けた定置網を補修する作業が行われていて、27日もおよそ30人の漁業者が、網が切れている部分をつなぎ直すなどしていました。

綾里漁協定置船 千田芳孝漁労長(66)
「小さな一歩。一歩前進したかなと。スタートが遅れた分、みんなには頑張ってもらって、(いつもの)水揚げにちょっとでも近づければ」

綾里地区では例年ならこの時期ウニ漁もすでに始まっていますが、山林火災で道具を失った漁業者も多く、漁協は漁の解禁を延期してきました。

このため、大船渡市と漁協は、こうした漁業者に対し、道具を支援することを決め、27日から支給されています。道具は箱メガネや小型の船外機など7種類で、待ちわびた漁業者が早速訪れ車に積み込んでいました。

熊谷吉明さん(76)
「ありがたいですね。自分たちで買うとなったとんでもない。本当に頭が下がる思いみなさんに」

綾里漁協では定置網漁、ウニ漁とも6月上旬の再開を予定しています。火災の発生から3か月、漁業の本格的な復興に向けた動きが進んでいます。

(05/27 18:45 テレビ岩手)

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