■【闘志】パラ水泳 千葉龍成選手(岩手県一関市出身) 「みんなをビックリさせるような泳ぎをしたい」 ジャパンパラ水泳競技会へ(岩手県)
特集は不慮の事故で片腕を失った「パラ競泳」のアスリートです。
初めて出場した国際大会の経験などを糧に9月開かれる国内最高峰の大会「ジャパンパラ水泳」に向けてトレーニングに励んでいます。
成田記者のリポートです。
(飛び込み)
千葉龍成さん(27)
「前半からいって、このままもつのかっていうぐらいのスピードでいって、みんなをビックリさせるような泳ぎをしたいです」
岩手県一関市出身の千葉龍成選手。
障がい者スポーツのひとつ「パラ競泳」で活躍が期待される「片腕のスイマー」です。
9月13日に愛知県で開幕する「ジャパンパラ水泳競技大会」に向けてトレーニングに励んでいます。
千葉選手
Q、一度の練習でどのくらい泳ぐ?
「普段だと最近は、2000(m)ぐらいやってて、 スプリント系(短距離系)を多くやっていて」
千葉選手が水泳を始めたのは保育園のころ。
高校生の時には、水泳部に所属し、東北大会に出場しました。
しかし、6年前、当時勤めていた工場で製品をプレスする機械に左腕を挟まれ、切断を余儀なくされました。
その後、出会ったのが「パラ競泳」でした。
(飛び込み)
2021年の東京パラリンピックで躍動するパラアスリートたちの姿に心を打たれました。
片腕がないことで、はじめはまっすぐ泳ぐこともできませんでしたが…
(アナウンス)
「レーン5、リュウセイ・チバ!フロムジャパン!」
全国大会で優勝するほどの実力をつけた千葉選手。
(スタート)
ことし4月に静岡県で開かれた国際大会に初めて出場し、バタフライの種目で自己ベストをマーク。
上位に残れず、世界との差を感じた一方、学びもありました。
千葉選手
「やっぱりそのテンポだったりとか、そのキックの打ち方とかであったりとか、飛び込みの動作とかそういうのも参考になって、学ぶところもあったので、すごく面白い大会でした」
(栗駒総合体育館 外観)
現在は練習の拠点になっている一関市の隣町、宮城県栗原市のスポーツ施設で働いている千葉選手。
こんなうれしいこともありました。
千葉選手
「結婚生活は同せいがまあまあ長かったので、そんなに大きな変化というのはないんですけど…」
去年12月、高校時代から交際していた水泳部の元マネージャー玲奈さんと結婚。
妻の存在が心の支えになっています。
千葉選手
「大会の結果が悪かったりとかして落ち込んで、たまに帰ってきたりとかするんですけど、その時もあったかい言葉をかけてくれたり、メンタルケアっていう形ですごく助けてもらってますね」
自由形とバタフライでジャパンパラ水泳に出場する千葉さん。
武器は飛び込んでから水をかき始めるまでの動作、「浮き上がり」です。
飛び込んだ時の姿勢やキック、水をかき始めるタイミングをうまく連動させてスムーズに加速。ほかの選手を突き放します。
一方、強豪が集う全国の舞台で勝負を分けるのは「レース後半」です。
スピードを落とさずに泳ぎ切るためのスタミナの強化も図り、表彰台を狙います。
千葉選手
「ラストで差されて終わるレースっていうのがほぼほぼなので、本当にラストどれだけ粘れるかっていうところだと思います。自己ベスト更新を目標にやっているので、そこは頑張りたい」
片腕を失った若きスイマー。
大舞台へ闘志を燃やし、泳ぎに磨きをかけます。
(09/08 18:38 テレビ岩手)
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