■【市勢功労者表彰】「楽しい62年だったね」閉店した釜石の名物居酒屋「お恵」女将の菊池悠子さん 長年にわたり市内の飲食店をけん引(岩手県)
釜石市で長年に渡り、地域に尽くした市民をたたえる今年度の「市勢功労者表彰」が行われました。ことし6月、62年の歴史に幕を下ろした名物居酒屋の「お恵さん」こと菊池悠子さんも表彰を受けました。
釜石市の市勢功労者表彰、今年度は4人が選ばれました。長年消防団員として地域に貢献してきた3人のほか、選ばれたのは菊池悠子さん86歳です。菊池さんは長年、市内の飲食店をけん引してきたことが評価を受け、表彰されました。
菊池さんは1963年から市内大町の「呑ん兵衛横丁」に店を構え、「お恵さん」の愛称で市民に親しまれてきました。しかし、東日本大震災で「呑ん兵衛横丁」は全壊。菊池さんの店もなくなってしまいました。
その後、店は期限付きの仮設飲食店街でようやく一歩を踏み出しましたが、「呑ん兵衛横丁」の再建がかなわず、仮設での営業を終了。菊池さんは引退も考えましたが、常連客の後押しもあり、2019年、ようやく本設店舗での再開を果たしました。しかし、商売を始めて62年、腰痛の悪化で引退を決意し、ことし6月、「居酒屋お恵」は閉店しました。
震災後の飲食業の復旧と復興、地域の発展に貢献した功績での表彰、菊池さんは「自分ひとりの力ではここまでやって来られなかった」と振り返ります。
菊池悠子さん
「みんなに支えられてきたんだもんね。みんながあっての今だから。みなさん本当にありがとうございました。楽しい62年だったね」
菊池さんは「やりたいことがまだまだある。リハビリをがんばり、自由に歩けるようになるのが当面の目標」と話していました。
(10/29 17:38 テレビ岩手)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)