■夏の風景C三陸でヒラメ釣り 大物狙う太公望たち(岩手県)
今月のシリーズ「夏の風景」、4回目は三陸の豊かな海の贈り物、今が旬の「ヒラメ釣り」です。腕自慢の太公望たちが集まる釣り船に乗って大物を狙いました。
夏の三陸の海。その風物詩のひとつがコレ。
釣り人
「やっぱ、引きがおもしろいですよね」
「釣り人ってエンガワ1枚食えるじゃないですか。 アレがうまいんで」
「夏はやっぱりヒラメ釣りだよね」
「やる週は2回やったり。1m超えるのもいるのでやっぱりおもしろいですね」
そう。ヒラメ釣りです。
「ほら来た!ほー」
腕自慢の太公望たちが大物を狙って集まってきます。そんな三陸の夏をスケッチしましょう。ヒラメ釣りは、磯や浜、そして船釣りといろいろありますが、今回は沖の深場や岩しょう帯をダイレクトに狙える船釣りへ。
「おはようございます」「よろしくお願いします(お願いします)」
爽やかな兄弟が出迎えてくれる宮古市の遊漁船「ゆたか丸」にお邪魔しました。この船は、ビギナーからエキスパートまで幅広い層の釣り人に人気の船なんです。朝5時、出港です。いざ、ヒラメ釣りへ。船の操舵が釣果を握っていると言っても過言ではない船釣り。きょうは…
「結構、沖の方に向かって船を進めています。今の時期(ヒラメ)は根(海底から隆起した岩しょう)に付くので、そこをうまく船を進めて攻めながらというのを流しでやっているんですよね。 今から9月にかけてが、やっぱりいいサイズが、それこそ座布団(70センチ上のヒラメ)というのが釣れてくる」
ヒラメ釣りをしている漁師さんもたくさんいました。まさしく旬なんですね。期待大です。
「装備はヒラメ専用のタックル(竿、リール、糸)を使って、リールはカレイ釣りとか、ヒラメ用に限らずなんでも使えるようなリール。ヒラメの竿というのは、こうやって柔らかい竿。」
ヒラメ釣りは、生きた小魚を餌にするため、エサを弱らせず、アタリを明確に捉えるようしなやかで感度が高い竿を使います。
「イワシ使ったり、サバ使ったり。こんな風にマイワシって言って大きいやつを使うんですよ」
針はイワシが弱らないように、腹と鼻先に素早く刺して海へ。
「行ってこい!」
港からおよそ30分のポイントで竿を下ろしました。水深70メートルから90メートルにある岩しょうを狙います。
「潮は速くはないと思うんで釣れやすい感じだと思います。なぎもいいので(風もないので)」
竿を下ろして、わずか5分。
「あ、ほらきた。これこれこれこれ。これこれこれこれ。これこれこれこれ。これあたり」
なんとあたりがきます。
数回細かい「前あたり」があってから、力強い「本あたり」が来るのがヒラメの特徴。
「はい、キマシター!きましたよー(上がってくる)はいよ ありがとうございます」
なかなかのサイズです。
「ホラきた!あーきてる!」
「わー、(ヒラメがえさを)離した」
簡単そうに見えるヒラメ釣りですが、結構難しいんです。餌が暴れたり、ヒラメがえさをくわえただけの「前あたり」ではあわせないで、えさを丸々飲み込む「本あたり」であわせるのですが…
「あ、バレた!これが早すぎるってやつです」
えさのイワシにはヒラメがかみ付いた跡が残っていました。そんな魚との駆け引きが釣り人を魅了して離しません。
「あんまり急いであわせるとバレちゃう。いつあわせたらいいのか分からないっていうのがおもしろいですよね」「ヒラメが食べてるなっていう感覚がしっかり伝わって来るんで、そこが楽しいかなと」
「重いー」
今回ヒラメ初挑戦という釣り人も、コツをつかんで見事ヒット。うまくあわせました。
結構、立派なヒラメですね。「ゆたか丸」は、釣れる場所へとポイントを移動しながら、ヒラメを狙います。
「はーい、どうぞ」
(ヒット)
「釣れれば大きいですし、1メートル超えるのもいるので、やっぱりおもしろいですね」
太公望たちは11時までの間、思い思いに楽しんで。三陸の熱い夏が過ぎていきます。
三陸のヒラメはみなさん、自分でさばいていただくそうです。刺身だけでなく、バター焼きやヅケ丼などにする人もいるそうです。新鮮なヒラメはやっぱりおいしいんでしょうね。
「何枚でもイケちゃう 弾力があって良いですね」
「地元で獲れた魚が一番おいしいです」
「やっぱり三陸って言ったらヒラメですね」
釣ってうれしい、食べておいしい、三陸の夏の風景でした。
(08/28 18:42 テレビ岩手)
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