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【困惑広がる】盛岡市の123事業見直し方針に関係者は?「いわて盛岡シティマラソン」や「敬老バス」なども対象に (岩手県)



盛岡市が来年度から順次、123の事業の見直しの方針を決めた問題で、内舘茂市長は4日、「丁寧に説明していく」ことを強調しました。事業の中には市民に親しまれたスポーツ大会などもあり、関係者に困惑が広がっています。

内舘市長
「今の時期に手を打たなければ将来さらに深刻な財政危機を迎えて、市民の皆さんにご迷惑を かけてしまうこともあるだろうと」

4日の会見で、こう理解を求めた内舘市長。市は「必要性」や「緊急性」などの観点から1041あるすべての事業の中から見直すものを選びました。

その結果、スポーツ大会や市民サービスなど123の事業が、廃止や予算の縮小を含めて来年度から順次、見直される方針となりました。

この方針が初めて示されたのは10月24日の市議会全員協議会。市は見直しに伴う削減の効果が7億6000万円あまりになると説明しましたが、議員からは厳しい質問が相次ぎました。

議員
「なぜ見直すのか、それが分かるような判断基準となるべきものを、数字だけじゃなくて示してほしい」

背景にあるのは市の厳しい財政状況です。市の中期財政見通しによると、給食センターの建設といった大規模な事業が本格化することなどで歳出が増え、収支は2026年度以降、毎年赤字となる見込みで、2030年度末には歳入がおよそ37億円不足すると試算しています。

困惑する関係者。「いわて盛岡シティマラソン」の運営に協力している市のスポーツ協会です。

大会は2019年に始まり、ことしは過去2番目に多いおよそ8000人が全国からエントリーしましたが、2027年度から市の負担金の廃止が検討されています。

盛岡市スポーツ協会 櫻正伸専務理事
「市民にとってもスポーツをするきっかけにもなったりというような、非常に良いイベントではある」「来年に向けてこうしようとかというようなことも、もしかしたら考えたりする時期だったかなと」「突然感というんでしょうか、そういうのは否めないなと」

影響は市民サービスにも。年2回まで無料で利用できる市の「敬老バス」も見直しの対象になりました。研修や旅行などで利用する老人クラブの団体は、高齢者が外に出る機会が減り、「孤立」につながることを懸念しています。

盛岡市老人クラブ連合会 玉山亨司会長
「バス旅行があるから老人クラブに入る、加入する人が結構多いんです」「もしそれがなくなったりしますと老人クラブから離れる、 会員ががたっと減ることになりますから」「撤回というような意見がほとんど」

市は、11月中旬から始まる来年度の当初予算の編成作業に見直しの内容を反映させる方針です。

内舘市長
「市民のみなさん、関連する団体の皆さんのお話はよく聞こうというふうに思っております」「誠意をもって丁寧に進めていきたい」

市は関係団体などからの意見や対応状況を、11月21日の市議会全員協議会で報告する予定です。

(11/04 18:30 テレビ岩手)

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