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【完全復活】スキー・モーグル競技 佐々木虎選手 華麗な滑り(岩手県)



 oneスポ特集は、スキーのモーグル競技で岩手の第一人者と言われる佐々木虎(たいが)選手です。

 日本代表入りを目指していた2022年に大けがをしましたが、ことしのアジアカップで表彰台に上がり、完全復活しました。


「Tigerカップを開始します(拍手)」

 4月13日、安比高原スキー場でモーグルにチャレンジする「タイガーカップ」が行われました。

 大人から子どもまで、たくさんの参加者がモーグルを楽しみました。

 仕掛人は「タイガー」こと、盛岡市在住の佐々木虎さん。

 岩手のモーグル選手の第一人者です。

 佐々木さんのスタイルは華麗な滑りに、なめらかで切れのある滑り。

 スノージャパン国内強化指定選手にもなりましたが、そこにたどり着くまでにはマイナースポーツならではの苦労がありました。

 三兄弟の次男として生まれ、兄とともに9歳でモーグルを始めた佐々木さんですが、地元に教えてくれるスクールがなかったため、ほぼ独学で練習。

 それでも高校3年の時、全日本選手権でなんと上位入賞を果たします

 佐々木虎選手
「ま、運もあって(全日本で)ベスト10入りした時に世界を目指せるんじゃないのかなっていうことを思ったんですけど、環境がなくて」

 その後、中京大学に進学。

 理由は、北京オリンピックで銅メダルを獲得した堀島行真(いくま)さんの進学先だったからです。

「もちろんモーグルのスキルだけじゃなくて、普段の生活を勉強させてもらったので。 時々アドバイスをもらったりとか、トップ選手の距離を身近に感じるというのは、この進学があったから。確実に自分が日本でも勝てるような選手になった理由も、そこにあるので」

 佐々木さんは、大学卒業後、岩手に戻って競技を続けました。

 日本代表を目指し、取り入れたのが、空中で体を倒して3回転するコークスクリュー1080(テン・エイティ)。

 当時、トライする選手が少なかった大技です。

 しかし、自分の技として身に付いた矢先に、転倒で全治1年の大けがをしてしまいます。

 競技を続けられるかどうかの大けがでしたが、懸命のリハビリと周りのサポートで、佐々木さんは、驚異的な回復を見せます。

 精神的に支えてくれた人もいました。

 佐々木虎選手
「妻です」

 実は佐々木さん、去年のオフシーズンに結婚していたんです。

 お相手は大学時代から付き合ってきた由紀乃さん。

 けがから復帰するためのケアや、おろそかになりがちな栄養管理など、佐々木さんの生活全般を支えていたのです。

 妻・由紀乃さん
「なるべくタンパク質が多めに脂質が少ないようなメニューを考えて、毎日バランス良く摂れるように意識はしてます」

 そして今シーズンは完全に復調。

 ジャンプの難易度を少し下げ、重視したのは…

 佐々木虎選手
「ターン、滑りの方を強化していく方にちょっと方向転換して、そこにこだわり続けた冬でした。本当、今、日本人選手が世界レベルになってきてるので、自分のターンもそこに持っていきたいなと思って、ずっと勝負してました」

 コブの斜面に吸い付くような綺麗なターンを武器に、2月の田沢湖の大会では優勝、3月に行われたアジアカップでも表彰台にのぼり、今シーズンを締めくくりました。

 佐々木虎選手
「みんな頑張ってねー、頑張ってねー」

 毎年、シーズンの締めくくりに主催しているTigrカップ。

 モーグルの楽しさを子どもたちに伝えたいと始めたイベントです。

 佐々木虎選手
「今後こういった子供に対してのイベントだったりっていうのも、自分が成績出せば(有名な)選手と触れ合える(場所として認知されて)、どちらに対してもいいことが相乗効果で上がってくと思うので、(選手もイベントも)どっちも頑張っていこうと思います」

 佐々木虎さんはこれからも岩手のモーグル界をリードしていきます。



(04/21 18:43 テレビ岩手)

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