■クマ3頭がマスの稚魚養殖場で魚あさる クマによる農作物被害も深刻化 (岩手県)
大槌町の魚の養殖場で、1日から2日にかけてクマ3頭が魚をあさる様子が防犯カメラに記録されました。県内ではクマによる農作物の被害も増えており、北上市では4日、研修会も開かれました。
■防犯カメラ提供映像
こちらは9月1日の午後8時半ごろ、大槌町の山中にあるマスの稚魚の養殖場で防犯カメラが捉えた映像です。親子とみられる3頭のクマが現れ、暑さで死んだマスおよそ30匹が入ったバケツをひっくり返して食べる様子が映っています。
(サイレン鳴る)
不審者の侵入を伝えるサイレンが大きく鳴り響いても動じる様子はありません。こちらでは、11月の出荷に向け、マスの稚魚およそ15万匹を飼育していますが、数年前からたびたびクマが出没していて、いけすの水の中に入って魚を取ろうとしたこともあったということです。
クマは2日の未明にも現れました。今回、けが人や施設への被害はありませんでしたが、養殖場の男性は「近くに釣りに訪れる人も大勢いるので警戒してほしい」と話しています。
■被害防止対策研修会
原記者
「一方、北上市ではクマによる農作物被害の対策研修会が行われました」
この研修会は「実りの秋」を前に、クマによる農作物被害について注意喚起しようと開かれました。4日は花北地域の農家や県・市の職員など、およそ60人が参加し、岩手大学の山内貴義准教授らがクマの生態や対策について講演しました。
花北地域では、2023年度、クマによるリンゴやコメなどの農作物被害がおよそ2000万円と、前の年の2.4倍に増えました。県内全体だと、クマやシカによる被害額は5億円を超えています。
研修会では、被害を減らすため、草の刈払いや電気柵の設置など、クマ対策を徹底するよう呼びかけていました。
花巻農林振興センター農業振興課 鷹羽誠課長
「地域の方々が藪の刈払いをするだとか、守るという部分については、電気柵の設置で寄せ付けない、『守る対策』がこれから必要になってくると思う」
クマはこれから冬眠を前に活動が活発になり、漁業や農作物への関係者一丸となった被害対策が求められます。
(09/04 18:56 テレビ岩手)
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