■【参院選】記者が詳しく解説 岩手選挙区・横沢氏の勝因 大差のワケ(岩手県)
(吉岡キャスター)
ここからは選挙担当の成田記者に聞きます。今回の選挙戦、横沢さんと平野さんの2度目の対決に注目が集まりました。6年前は接戦となりましたが、今回はおよそ10万票の大きな差がつきましたね。
(成田記者)
こちらは横沢さんと平野さんの得票数の勝敗を市町村別に示したものです。横沢さんが上回った所は「青」平野さんが上回った所は「赤」です。今回はこのようになりました。
(キャスター)
ほとんどが「青」になりましたね。
(記者)
横沢さんが勝った市町村の数は、26市町村と前回6年前から「17」増えました。
(キャスター)
特に象徴的だったのが衆議院選挙の区割りでいう県北部と沿岸部がエリアの「岩手2区」ですね。
(記者)
「岩手2区」は、自民党の重鎮鈴木俊一衆議院議員の固い地盤があり、自民党の支持層が多い地域です。前回は平野さんがおよそ1万8000票上回りましたが、今回は逆に横沢さんがおよそ1万4000票上回りました。
(キャスター)
成田さんは、横沢さんの勝因をどう見ていますか?
(記者)
こちらは、テレビ岩手が行った出口調査の結果です。
ひとつは幅広い世代から支持を集めたということです。
このうち、男性では60代と70代以上女性では40代から70代以上で支持率が50%を超えました。
また、普段支持する政党を持たない無党派層からは5割以上の支持を得ました。
こちらは、大票田の盛岡市など無党派層が多いとされている都市部で大きくリードした要因と考えます。
(キャスター)
そして、およそ10万票もの大差がついた要因はほかにどんなことがありますか。
(記者)
参政党の存在が背景にあると考えます。
今回、新人の及川泰輔さんは10万6000票あまりを獲得しましたが、去年行われた参議院の補欠選挙での参政党の公認候補の得票数はおよそ4万8000票で、2倍以上増えました。参政党は、6月行われた東京都議選で党として初めて議席を獲得。
今回の参議院選挙でも、その勢いに乗って全国で議席を大きく伸ばしました
その参政党の及川さんの出口調査の結果です。
年代別の支持率は、男女ともに20代までの若い世代の割合が特に高くなりました。
政党支持層の投票先を見ても無党派層の割合は3割以上と参政党支持層に次ぐ高さです。
参政党が既存政党の不満の受け皿となったこと、普段自民党を支持している保守層の一部が及川さんに切り崩されたことなどが、今回の横沢さんと平野さんの票に大きな差がついた要因のひとつとも考えられます。
今回の参議院選挙で、岩手県政界は野党優位が強まりました。自公が過半数割れに追い込まれ、政局の混迷も予想される中、今後の国政選挙で自民党がどう巻き返していくのか。新興勢力の存在もあいまって、今後の勢力争いに注目が集まります。
(吉岡)
成田記者とお伝えしました。
(07/21 19:24 テレビ岩手)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)