■挑戦A規格外リンゴで新たなサイダー商品化(岩手県)
今月のシリーズ「挑戦」です。2回目は、規格外のリンゴを使って新たなサイダーを生み出した女性の活動についてお伝えします。
2022年に発売を開始したリンゴのサイダー「さんさスパーク」。このご当地サイダーは、岩手を盛り上げたいという女性の挑戦から始まりました。
級木さん
「盛岡の規格外のリンゴを使ったサイダーになってまして、さんさにちなんで3種類。さんさ踊りにちなんだサイダーになってたら面白いなと思って『誰か作ってくれないかな?あ、私作ろう』と思って作っちゃいました」
盛岡市肴町にあるカフェ「ノイ・バンデ」。この店を営む級木美子さんは、盛岡産の規格外リンゴに目を付け、サイダー作りの構想を練ってきました。
級木さん
「台風の被害があった年があって、リンゴがどんどん落ちていった時があったんですけど、それを回収して穴を掘って捨てられてる農家さん、生産者さんを見たんですね。もったいないと思って、もうちょっと何か生かせないかなと思ったので、全く農業経験ないのに、作ってみました。33%13%3%でパーセンテージを果汁を変えてまして。私子供3人いるんですけど、息子たちが小さい時にお父さんのエナジードリンクを飲みたいって言ったんですけど、『これだったらいいよ』と出せるものを作りたくて、いま末っ子はこれが一番のお気に入りなんです」
2022年の発売以来、この「さんさスパーク」は市の「盛岡ブランド」に認定された他、今年2月には台湾で開催された岩手県物産展でも販売。そして4月、新たなサイダーの販売に向け級木さんは再び挑戦を始めました。
Qきょうはどういったご用で?
級木さん「『チャグチャグスパーク』を届けに来ました」
Qチャグチャグスパークとは?
級木さん「滝沢の規格外のリンゴを使ったサイダーを、今打ち合わせをさせていただきながら進めていて…」
4月29日に販売予定の新たなサイダー『チャグチャグスパーク』。
級木さんの挑戦に滝沢市が賛同し、商品の完成に至りました。
市の担当者
「リンゴジュースはもちろん今までもあったんですけど、炭酸飲料がそもそも無かったというところもありますし、何より級木さんの一番熱い思いを話の中で感じまして、行政としてもぜひ応えなきゃいけないなと思ったところです」
「子供さんでも手に取って飲めるものも欲しいなと思ってましたし、特にリンゴ。農産物的にも盛り上がるし、特産品的にもすごく盛り上がるので、やはりふるさと納税も盛り上げていきたいなと思っていたので、そういうものも一体となって盛り上がっていきそうかなと思います」
今回の新商品「チャグチャグスパーク」に使われているリンゴも、滝沢のリンゴ農家が栽培した規格外のもの。この日級木さんは、試作したサイダーを試飲してもらおうと、農家さんのもとへ。
農家
「なんでもかんでも、もっと(リンゴの)品質落とすんであれば、こんなおいしいサイダーはできないと思います」
Q「加工して生まれ変わるというのは農家さんにとっては?」
農家
「ありがたいですね。ましてや滝沢のリンゴを使用したとなると、うちらにとっても励みになって」
級木さん
「どうしても酸化防止剤を使いたくなかったんです。本当にりんごのそのままの味をちゃんと味わってほしい。なので、何も余計なものは使わず、本当に安心なものだけを使って、子供でも安心して飲んでもらえるものにしたいなと」
ジュースの変色を防ぐ酸化防止剤。しかし級木さんは、変色することも自然なことと捉え、あえて酸化防止剤を使わずに製造を依頼しました。また、パッケージにも妥協を許しません。
今回パッケージをデザインしたのは、「さんさスパーク」の時と同じチーム。イラストレーターの打越さんと、デザイナーの橋さんに相談し、作り上げました。
打越さん
「キャラクター設定がかなり細かく、材料をいっぱい頂いたので、それを私が紙に落とすと、(級木さんの)イメージ通りだった」
橋さん
「前回『さんさスパーク』の時は太鼓がモチーフだったんですけど、今回は馬の脚に付いてる馬蹄をモチーフにした方がバランスが良さそうだなというのと、さんさスパークと並んだ時にちゃんと仲間・ファミリーだというのを伝わるように」
パッケージのキャラクターにも設定を付けるなど、級木さんの挑戦が形になった「チャグチャグスパーク」。さらに級木さんは、サイダーを通した新たな展望を見据えています。
級木さん
「ここでは終わらないので、次々挑戦していきたいですね。岩手を制覇します!次は息子が今北上の高校に通ってるので、北上に行きたいなと。『鬼剣舞スパーク』をもくろんでいます。でも最終的には、次世代の人たちが次頑張りたいと思うきっかけになったらなと思うんですね」
サイダーを通した級木さんの挑戦。大好きな岩手を盛り上げるべくその思いをりんごと泡に託します。
今回紹介した「チャグチャグスパーク」は、4月29日に盛岡市肴町の「ノイ・バンデ」と滝沢市の「ビッグルーフ滝沢」で販売予定です。価格は1本400円で、興味のある方はぜひどうぞ。
(04/10 18:40 テレビ岩手)
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