■全国知事会が『青森宣言』採択で“国に苦言”も…「場当たり的で弥縫策しか政府はないのかなと思わざるを得ない」(青森県)
県内で初めて開かれた全国知事会議は成果をまとめた「青森宣言」を採択し閉会しました。
知事会は参議院選挙を踏まえ、国の場当たり的な施策を改める必要性を指摘し、代わりの財源がない「減税」に対しても懸念を示しました。
全国知事会議はきょうまでの2日間、青森市で開かれました。
2日目はアメリカの関税措置や原発の安全対策などについて意見を交わし、提言をまとめました。
宮下知事は高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定を巡り、全国の知事に対し「立地地域だけでなく自らの課題として捉えてほしい」と協力を求めました。
このあと採択した「青森宣言」では「参議院選挙の民意を国は受け止めるべき」などとし、7つの提言を決意し宮下知事が発表しました。
★宮下知事
「国民は物価高に対する不満のみならず、国政が将来に向けての長期ビジョンを求め、その場しのぎで対症療法でない真の政策論議を望んでいる」
「若者の将来に対する不安を直視し、代替財源なき減税など将来世代につけを回すような施策ではなく、地方公共団体の声を十分に反映し、若者が未来を自由に描き実現できる国づくりを政党や党派を超えて目指すことを求める」
このほか「排他主義や排外主義を否定し多文化共生社会をめざす」と明記し、人口減少問題を「最大の課題」と位置づけ、国に対し国民的運動のスタートを求めることなどが盛り込まれました。
会長を務める宮城県の村井嘉浩知事は宣言に込めた思いについて「日本の将来の姿を示すのが国のリーダーだ」とし、国政に苦言を呈しました。
★全国知事会(宮城県知事)村井嘉浩 会長
「対症療法的な施策、例えば今回急に消費税の減税が出てきた そうしたら給付金を出すといったような形で」
「その場しのぎ、場当たり的な施策で何とかごまかして乗り切ろうというような形に国民は見えてしまったのではないか そこは根本的に改めなければ、国民の支持は得られません。これは与党・野党に関わらず国の政治に携わる皆さん、みんなわかってほしいという思いで、宮下さんと一緒になってここは厳しめに書かないといけないだろうと」
宮下知事は…。
★宮下知事
「場当たり的で弥縫策しか政府はないのかなと思わざるを得ない おそらく47都道府県の知事の一致した考え」
地方の財政に影響を及ぼしかねない減税については、代替財源の確保が必要だとしています。
★宮下知事
「財源もないのにまず減税はできない。(「青森宣言」には)財源は税財源と書いていない財源は赤字国債も含めてということだが、赤字国債だとしても、それをどういうふうに返済していくかという道筋も含めて考えるべきということは当たり前のこと」
全国知事会は今後まとめた提言を政府に提出します。
(07/24 20:44 青森放送)
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