■「伝統的な食べ方伝えたい」県産“納豆”のヨーロッパ輸出を本格化!大豆の発酵食品が現地のトレンド!? 青森県三戸町(青森県)
三戸町の食品会社が県産納豆のヨーロッパ向け輸出を本格化させています。
品質と味がフランスで高い評価を受けていて第2陣の商品が今月出荷されました。
ヨーロッパ向け輸出に取り組んでいるのは三戸町に本社がある太子食品工業です。
田子工場で先月31日、人気商品「北の大豆」の製造ラインを輸出用に動かしました。
輸出のきっかけは2023年にフィンランドからの少量の発注でした。
添加物を使わないことや遺伝子組み換え大豆を使わないなど食の安全性に取り組む「タイシ」の納豆が、輸出基準が厳格なヨーロッパで注目されました。
★太子食品工業 工藤裕平 副社長
「納豆というのは我々にとってはもう伝統の食品で日々食べているものですけれども」
「ヨーロッパで最近大豆が食品として食べるというのがはやってきましたので、日本の伝統的な大豆の食べ方をお伝えしたいなと」
納豆自体は県内県外に流通する商品と同じですが、違うのは付属するたれ。
欧州規格EUハサップに対応した、かつお節を原料にした希少な納豆用のたれを岩手の醸造会社に協力を求めて作り、輸出できる体制を整えました。
★太子食品工業 工藤裕平 副社長
「青森からこのすばらしい食を世界に向けて発信していく とくにヨーロッパというのは食の都でありとあらゆる食の本場でもありますので、舌のこえたヨーロッパのお客さまに青森のこの納豆をお届けできるというのはうれしいなと思っていました」
オランダに倉庫を確保し、そこから発送できる体制も整え、現地の見本市に出展して試食や商談を繰り返し、健康への効果や独特の味わいを紹介して納豆の認知度向上を図ってきました。
現地で商談にあたった担当者は…
★商品開発部 工藤貴靖 課長
「理由としては1つは大豆の発酵食品というところがいまの現地の食のトレンドに合っているということ」
「展示会・見本市等で出していると食べて試食していただく方も多くいまして、そういった方からは結構好意的なお話をいただきましたので」
健康志向の高まりや日本食ブームが追い風になって納豆の輸出量は年々増えています。
専門家はこだわりを極める県内企業の挑戦に可能性を感じています。
★ジェトロ青森 清川裕志 所長
「肉の消費がおちてきている統計がありまして、この減った分が何になっているかと言いますと植物性のタンパク質ということで、大豆が中心ですけれどもそういった方にシフトしている。そういう意味で今回の納豆ですとか豆腐ですとか、そういったものがなお一層輸出されていけば、県内企業にとってもひじょうに良いのかなと思っています」
今回作られた輸出用の納豆は、前回の2倍にあたる3600パックです。
国内向けの納豆の消費期限は12日間ですが、冷凍処理することで1年間に延ばすことができました。
冷凍保存された納豆は名古屋港からコンテナ船でオランダへ運ばれ、およそ2か月後にはオランダやフランスのアジア・日本食品店などで販売されます。
★田子工場 大羽澤都子さん
「どんな風に食べているか私たち知りたいですし、ヨーロッパの方でも発酵食品チーズとかあると思うので、その辺もおいしく味わっていただければと思います」
★十和田工場 製造一課 白板満 課長
「基本的には国内・国外であろうが食の安全ということで、品質第一ということを思いながら続けて作っていますので」
「そこに関して太子食品で作っているものは間違いないよねという形で安心して食べてもらえればよいかなということで考えています」
県民の食卓に欠かせない県産納豆。
ヨーロッパで食の都の人たちに愛される将来が期待されます。
(04/10 19:28 青森放送)
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