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【伝統継承】「自分だけの柄を作りたい」津軽塗職人を目指す19歳の女性が吹き込む“新しい風” 最年少の研修生の夢とは… 青森県弘前市(青森県)



特集は国の内外からも注目されている伝統工芸品津軽塗の世界に飛び込んだ19歳の女性です。
津軽塗職人をめざしてこの春から見習いとして腕を磨いています。

★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「磨いて模様を出したときに この塗った色が出てくると、達成感があって好きです」
「同級生とは絶対に違うことをやっているなという感じで、すごく楽しいです」

この春から弘前市の今漆器工房の見習いになった弘前市出身の佐藤せせらさん19歳です。

★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「中学生の頃に授業で津軽塗をやったことがあって楽しいなって思って」

小中学生のころ持病で入退院を繰り返していた佐藤さんは授業で体験した津軽塗をもっと知りたいと思い、父・和博さんの勧めもあって、中学を卒業した2021年、津軽塗の後継者育成のための研修事業に参加しました。
事業開始以来、最年少の研修生になった佐藤さんは3年半職人から知識や技術を学び、この春からは研修生のときに講師でもあった津軽塗伝統工芸士の今年人さんのもとで腕を磨いています。

★津軽塗伝統工芸士 今年人さん
「めげずに楽しくやってくれている。おもしろみを持ってやってるっていうか そういうところがいいですね」

これらは佐藤さんがつくった作品です。
修行を続けるなかで佐藤さんは色へのこだわりが強くなりました。

★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「これは初めてやった七々子塗りの微粒面っていうおわんですね。普通はこのあと研いで模様を出すんですけど、これはこのまま 塗ったままで作品として完成」

★猪股南アナウンサー
「すてき。色もなんだか明るい緑ですね」
★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「これは自分でこの色があったらかわいいなと思って自分で作った色ですね」
★猪股南アナウンサー
「色も自分で?」
★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「自分で顔料を混ぜて理想の色をつくって好きな塗りを自分でつくってます」

この日は自分で色を調合して、箸に青色の漆を塗る作業をしていました。

★津軽塗伝統工芸士 今年人さん
「漆が厚くならないような塗り方を自分なりに考えてはけを動かしながら、たまらないようなはけの運び方自分でつかまないと」「なるたけ、はけ寝せないで毛先で塗るようにこころがけて」

★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「どう思いますか?」
★津軽塗伝統工芸士 今年人さん
「いい」
★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「大丈夫ですか?」
★津軽塗伝統工芸士 今年人さん
「しわになったら失敗したと思って自分で自分のはけの動かし方ふりかえってみて」

弘前市を中心に作られている津軽塗は国の重要無形文化財に指定されている郷土が誇る宝です。しかし職人の高齢化が進んでいます。

師匠の今さんは、若い担い手に期待を膨らませています。

★津軽塗伝統工芸士 今年人さん
「本人がやりたいようにやっていただければ…私はもう津軽塗から離れないでやっていってくれればそれでいいと思います」
「この先あと何年見られるか分からないけれども、私がいいんじゃないかなって思うまで ここで習っていってもらいたいなと思っています」

見習いとして歩み始めて1か月。
佐藤さんの今の目標は…。

★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「唐塗はいち早く極めたい。唐塗って一番作り手の個性がでる。人によって違ってくるので自分だけの柄を作りたい」

そして伝統を守りつつ、若い世代にむけたデザインの津軽塗も作りたいと考えています。

★津軽塗職人見習い 佐藤せせらさん
「アクセサリーをいっぱい作ってみたい。パステルカラーのものとか多めに作ってみたいです。歴史ある伝統工芸なので、ずっと受け継がれるように新しい物とかも作りつつ、若い人にもいろんな人にアピールできるようなものを作っていきたい」

先人から引き継がれた郷土の宝を守り、新しい風を吹き込む担い手が歩み始めました。


(04/29 20:40 青森放送)

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