■仕事に競技に子育てに…「全部自分がやりたいこと」 ゴールボールから柔道に転身してパラリンピックめざす日本代表・兼田友博さんに密着!【らぶスポ!】(青森県)
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きょうは視覚障がい者柔道です。
叶わなかったパラリンピック出場から競技を変えてロサンゼルスをめざす柔道家の1日に密着しました。
★青森放送 板橋優磨キャスター
「失礼します…こんにちは!兼田さんきょうは1日どうぞよろしくお願いします」
★視覚障がい者柔道日本代表 兼田友博さん
「よろしくお願いします」
兼田友博さんは青森第一養護学校で事務の仕事をしています。
この春次のパラリンピックをめざす強化指定選手6人の中に青森県から唯一選ばれました。
兼田さんは先天性の「網膜色素変性症」です。
徐々に視野が狭くなり失明に至る可能性もある病気で現在の視力は0・08。
度の強い眼鏡をかけて日常生活を送っています。
昼休み兼田さんはトレーニングウエアに着替えて急いで出て行きました。
★板橋優磨キャスター
「今からどちらに行かれるんですか?」
★兼田友博さん
「今から近くのジムに行ってきます 昼休み45分しかないので時間がないんです」
他の強化指定選手はほとんどが企業チーム所属。
仕事の合間を縫って体を鍛えているのです。
兼田さんは目が不自由なため車を運転することができません。
この日は仕事が終わった後電車を乗り継ぎ弘前市内の大学に練習のためやってきました。
兼田さんは視覚障がい者柔道では「弱視」のクラスです。
視覚障がい者柔道は組み手の状態から試合が始まり序盤から技を掛け合うため一本勝ちが多いのが特徴です。
それ以外のルールは同じなので健常者と一緒に練習します。
兼田さんの得意技は相手の内側から足を刈り後ろに倒す「大内刈り」です。
この日の相手は大学生。
暑さのなか5分間の稽古でもへとへとです。
★兼田友博さん
「やっぱり体力が違いますよね…(大学生たち)元気です」
★大学生
「探究心がすごい人で練習・乱取り中とか普段の会話の中でも柔道の分からないところあれば『ここをどうすればいいんだろう』っていうのをすごく聞いて助言を求めたりしてくる」
この日は30キロ近くも階級が上の選手に果敢に挑み続けました。
★兼田友博さん
「ありがとうございました…足つった!」
実は兼田さん柔道を本格的に始めたのは30歳を目前にした頃でした。
兼田さんはかつて視覚障がい者スポーツの「ゴールボール」日本代表でパラリンピックをめざしていました。
しかし目標としていた2021年の東京パラリンピックには選出されませんでした。
★兼田友博さん
「ずっとスポーツやっていた身としてはすごく悔しかったので何か違うところで違う形で上を目指せる競技がないかなと柔道はじめて」
白帯からのスタートでしたが、めきめきと頭角を現し2023年、24年と世界大会にも出場しました。
★兼田友博さん
「とにかく今は自分には足りないものだらけなので時間を大事にしたいなって思って毎日稽古やらせてもらっています」
練習を終えて家に帰ってくるのは夜の9時。
★兼田友博さん
「なんかピアノ弾いてる」
★板橋優磨キャスター
「にぎやかですね」
★兼田友博さん
「ただいま!」
★家族
「おかえり」
子どもたちはいつもお父さんの帰りを待っています。
練習がない日は子どもたちと過ごす時間を大切にしています。
★板橋優磨キャスター
「パパとどんなことして遊ぶんですか?」
★小1・長女 紗誉さん
「野球!してるよ!」
★兼田友博さん
「この前やったもんね 紗誉は意外と投げるのが上手なんだもんね」
★小4・長男 多摩雄さん
「学校でキャッチボールあるから20mは飛びたいなって感じ」
兼田さんは来月エジプトで行われる世界大会出場が決まっています。
★小4・長男 多摩雄さん
「そのとき(家に)いないから寝るときさみしい」
★兼田友博さん
「寝るときさみしい!そっちね!」
★妻・綾子さん
「頑張っている姿を子どもたちに見せてくれているので自分の納得いくような最後結果残してくれるといいなと思いますよね」
仕事に柔道に子育てに…。
兼田さんがここまで頑張れるわけとは。
★兼田友博さん
「子どもたちと遊んでいる時間は遊んでいる時間でスポーツやっている時間と同じくらい楽しいし、スポーツやっている時間は自分のやりたいことだから、一生懸命やりたいなって思うし、やりたいこといっぱいだから忙しくなるのは仕方ないかなみたいな感じですよね」
「全部自分がやりたいことだから」
家族の応援を力に兼田さんは2028年のロサンゼルスをめざします。
(07/25 19:47 青森放送)
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