■山口大学が授業料の約10万円値上げを発表…地方国立総合大学でははじめて 年間53万5800円→64万2960円へ 学生からは反対の声も(山口県)
山口大学は来年度以降の入学生を対象に年間の授業料をおよそ10万円値上げすると発表しました。
地方国立総合大学としては全国で初めてで、反対する学生や教職員が声を上げる中での会見となりました。
現行の年間53万5800円から20%、およそ10万円64万2960円に改定するということです。これは文科省が定めている改定額の上限いっぱいにあたり、また、再来年度以降、大学院に進学する学生も対象です。
30日、授業料の値上げに反対する学生や教職員およそ50人が山口市の吉田キャンパスに集まり抗議する中、谷澤幸生学長が会見を開き、発表しました。
値上げの理由について谷澤学長は人件費の増額や物価の高騰、それに国からの運営費交付金の減少などを挙げました。
さらに、施設の老朽化も深刻でWifi環境の整備や空調設備など20億円の整備費が必要として、学費の値上げはすべて修学環境の整備に充てたいとしました。
また山口大学はホームページ上で「本学を含めた国立大学の厳しい財政事情は、ここ数年ではなく、それよりも前から始まり、本学においても教職員の協力の下、収入増及び支出抑制にもこれまで取り組んでまいりました。しかし、それ以上に昨今の物価高騰、特に電気代の高騰や賃上げといった社会情勢の変化は著しく、国からの運営費交付金をはじめとする既存財源だけでは、学生の教育研究環境の維持・改善や整備・拡充ができず、学生に不利益が生じると判断しました」などと説明しています。
授業料改定の方針は、先月、ホームページ上で公開されていて、学生による「学費値上げに反対する有志の会」も発足、授業料値上げに反対し決定プロセスの公開と民主的な議論を求める要請書を学長宛に提出するなどしていました。
谷澤学長は「経営協議会・役員会など適切なプロセスで決定した」と説明した一方、受験シーズンを前にして「もう少し早く公表すればよかった」ともしました
値上げに反対する学生でつくる有志の会はあくまで対話と合意が必要だとして会見後、反対署名およそ5000人分を提出しました。
学費の値上げにより予算は、初年度に1億6000万円の増加、4年後には7億7000万円の増加を見込んでいて、谷澤学長は「すべて修学環境の整備に充て、2〜3年後には目に見える形で改善したい」と話しました。
(10/30 15:45 山口放送)
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