■熊本市立中で「選べる制服」導入 メリットだらけ!?変化する制服事情(熊本県)
■藤木紫苑記者
記者のコトバ、今回のテーマは「変化する制服事情」です。これまで学生服は指定されたものを着るのが当たり前でしたが、10日に熊本市で行われた中学校の入学式は少し様子が違っていました。
【VTR】
熊本市立託麻中学校では10日、新たに289人が晴れの日を迎えました。ここで、皆さんの制服に注目してください。多くの新入生が着ているブレザータイプの制服は、今年度から熊本市の中学校に取り入れられた「共通標準服」です。性別に関わらずブレザーは共通で、スラックス、スカート、キュロットスカートから生徒が自由に選ぶことができます。共通標準服の特徴を、販売する店に聞きました。
■光多制服 営業部・大山梨沙さん
「リボンとネクタイもどちらでもご使用いただける取り外しのできるワンタッチのものになっております」
標準服は、性別に関わらず誰でも着用できる工夫があります。たとえば従来、男女で異なる前合わせボタンは付け替えで右と左どちらも対応できます。リボンかネクタイも選ぶことができ、色は学校で指定されています。また標準服には「自由に選べる」以外にもメリットがあります。
■光多制服 営業部・大山梨沙さん
「数が多いほどコスト的な削減もできます。それぞれのラインが違うリボンが違うなどと今まであったものがブレザーに1本化することで大量生産でコスト削減ができていると思います」
ひとつは、コスト削減です。これまで熊本市の多くの中学校では男子は詰襟、女子はセーラー服で、学校ごとに違う制服でした。今回標準服を導入し学校ごとの差や性別による差がなくなることで大量生産ができ、コストの削減につながりました。光多制服では標準服を上下セットで3万5000円から販売しています。従来の学校ごとに異なる制服に比べ低価格に抑えられているそうです。
そしてメリットはもう一つ、標準服は基本的に自宅で洗うことができるので衛生面でもプラスになります。また熊本市立の中学校で共通なので転校しても制服を買い直す必要がなく、性別に関係なくきょうだいで同じ制服を引き継げます。「標準服」を選んだという新中学1年生の家族は…。
■新中学1年生
Qどうして標準服にしようと思ったんですか?
「セーラー服よりそっち(標準服)の方がかわいい(と友達も言っていた)」
■新中学1年生の母
「私はセーラー服も好きだったんですけど、子どもは新しいのがいいって決めてたので、子どもの言うとおりにしました」
機能はもとより子どもたちにとってはデザインも人気のようで、光多制服によりますと今年度の中学1年生の注文の86%が標準服を選んだということです。そして、皆さん真新しい制服で入学式を迎えました。
Qお友達同士でもバラバラのものを着ているけど?
■託麻中学校・新1年生
「違うのでもいいと思います」
「制服をおさがりでもらったから(セーラー服です)」
「でもセーラー服の方がいいかなと!」
「自由だからいい感じ」
中にはこんな人も。
■託麻中学校・新1年生
「好きな時に好きな方をつけられる」
リボンとネクタイを付け替え違いを楽しんでいました。そして保護者にも感想を聞きました。
■新中学1年生の保護者
「私のときはセーラー服だった。きょう入学式の時に、女の子でもスラックス履いている子がいたりなど多様性の時代変わってきていると感じました」
「今までの学ランよりは洗い方が楽じゃないかと思います」
「自分で選んで決められるというのは、すごく子どもの学びにもつながるのかと思います」
【スタジオ】
■藤木紫苑記者
熊本の市立中学校ではこの4月から標準服が導入されましたが、従来の制服は廃止せず、新旧両方から選べるようになっています。在校生で希望する生徒は誰でも着用できます。2年生や3年生もこの4月から標準服を着ることができます。
こうした「選べる制服」の取り組みは他の自治体にも広がっています。
【VTR】
9日に行われた南阿蘇中学校の入学式。今年度から新しくブレザーが選べるようになりました。在校生の要望で学校が制服検討委員会を設立し、生徒や保護者らとデザインを決めたということです。規律や調和を守りながらも個人の選択を尊重し実用性も取り入れる「新しい制服」は今後広がりをみせていきそうです。
(04/10 20:24 熊本県民テレビ)
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