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カスハラ対策で"電話録音" 職員にはモチベ向上の新制度も…熊本市役所の取り組み(熊本県)



「公務員の働き方」を考えます。「お客様は神様」という言葉を履き違えて、自治体の職員に対し暴言を吐く問題が今も深刻となっています。熊本市では11月から新たに迷惑行為を防ぐための対策がスタートしました。

客などからの暴言といった著しい迷惑行為をさす「カスタマーハラスメント」。特に深刻なのが、自治体の職員へのカスハラです。



(市担当者イメージ)
「時間外に電話がかかってきて緊急性がないものだったので『後日確認して連絡します』と伝えると、苦情や暴言を言われました」

このやりとりは、実際に熊本市役所で起きたもの。昨年度、職員が受けたカスハラにあたる事例は、のべ4352件にのぼります。これまで対策として職員の名札にあった顔写真をなくし、名字のみの表記に変えた熊本市。11月から新たに取り入れたのが「通話の録音」です。



本庁舎などに電話をかけると、録音を知らせるアナウンスが流れ、職員との通話が録音される仕組みです。

■熊本市総務課・那須光也課長
「通話の録音も含めてカスタマーハラスメント対策をすすめていくことで職員が本来の業務に専念できる時間を整えることによって市民サービスの向上に時間をつかうことができる」

すでに県庁などでも行われていますが、どれほどの効果が期待できるか、専門家に聞きました。



■特定社会保険労務士・川浪宏さん
「一回この場で言い捨ててやろうとか、匿名性が割と高い方に対する対応になりますので、私の仕事の経験則としてそのような録音を始めたところでは(カスハラにあたる)電話は減ったという実体験として伺ったことがありますのでかなり減るのではないかと思う」

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
カスハラは法律の改正によって、今後、すべての企業に防止措置が義務化されます。公務員は私たちの生活と直結する仕事ですから、働きやすい環境づくりが重要になってきますね。

(永島由菜キャスター)
そのひとつが「やる気・モチベーションを高める仕組み」です。実は、今回取材をした熊本市では、こんな取り組みをしています。



【VTR】
ことし9月、熊本市の大西市長が職員を表彰しました。「職員ポイント制度」という取り組みで、地域への貢献や資格取得などをした職員を50点満点で評価するものです。



■大西一史市長
「なかなか市役所の職員は今まで褒められることよりもクレームを受けることのほうが(多い)。自分を高めることが市民のためになっていることを何らかの形で表彰することが必要じゃないかなと以前から思っていた」

資産マネジメント課の古閑義朗さんは、母校の大学のボート部をボランティアで指導したほか、業務に必要な資格を取得しました。高齢福祉課の江良幸子さんは、心臓リハビリテーションの推進事業に参加し、学会で発表をした点などが高く評価されています。

■資産マネジメント課・古閑義朗 主任主事
「いままでこういうの(仕事で)表彰されることがなかったので素直にうれしい」


(11/04 19:13 熊本県民テレビ)

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