■119番通報受けた指令員が違う場所を救急隊に指示し到着11分遅れる 通報した90代女性は死亡(熊本県)
熊本市消防局によりますと、4月12日午後10時半頃、熊本市南区に住む1人暮らしの90代の女性から119番通報がありました。通報は固定電話からで、指令システムの地図には自動的に登録された地点が表示されますが、今回は同じ住所で2つの地点が登録されていて、絞り込む必要があったということです。
システムには、確認を促すマークが表示されていました。しかし通報した女性は名前を名乗ると応答しなくなったことから指令員は現場の詳細な情報を聞くことができず、最初に表示された地点を現場と思い込み、救急隊に出動を指示したということです。
通報から9分後、救急隊が到着しましたが、現場ではなかったため指令センターに連絡。指令員は90メートル離れた場所に通報した女性の名前と同じ家があることに気づきました。救急隊が女性の自宅に到着したのは、本来かかる時間よりも11分遅れたということです。
女性は心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、死亡が確認されました。熊本市消防局では16日に遺族に謝罪したということです。通報を受けた指令員は50代の男性消防司令で、4月から指令員として働いていました。
東京消防庁で署長などをつとめた専門家は、このように指摘します。
■元東京消防庁・坂口隆夫氏
「誤出場がある程度の割合で発生してしまっていれば信用の問題にもなるということですから、まずこれは多くある事例ではないと思います。二重三重のチェックができるような体制でなければいけないと思います。指令員1人に任せては、こういうミスが発生するということが言えるんですね」
熊本市消防局は指令員について「指令システムのマニュアルの手順が抜け落ちていた」とした上で、「システムの操作手順の検証や研修を行い再発防止を図る」としています。
(04/17 18:51 熊本県民テレビ)
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