NNNニュース

「リスク高い集団」大津高サッカー部 "いじり"→"いじめ"に…調査委が指摘(熊本県)



大津高校サッカー部の男子生徒がいじめを受けていた問題で、調査委員会の報告書が公表されました。
報告書では男子生徒に裸で土下座をさせたのをいじめと認定した上で、学校に「いじり」と呼ばれる行為が「いじめ」につながったなどと指摘しました。

この問題は2022年、全国高校サッカー選手権大会の宿泊先で、大津高校サッカー部の当時1年生だった元男子生徒が全裸で土下座を強要されるいじめを受けたものです。県教育委員会はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」にあたるとし弁護士などでつくる調査委員会を設置しました。


そして31日、調査委員会が生徒や教員などから聴き取った調査報告書を学校長に手渡しました。報告書によりますと、当時のサッカー部内では「いじり」と呼ばれる行為が日常的に行われていて今回のいじめ問題の原因となった可能性を否定できないとしました。

さらに部員に対する教育や指導などが不十分であり、学校がいじめを認知する仕組みが機能していたとは認められないとしました。全国有数のサッカー強豪校で起きたこの問題。調査委員会は大津高校についてこのような指摘もしました。


■調査委員会・原村憲司弁護士
「大津高校の男子サッカー部、そして高校自体が非常にいじめが起きやすい、いじめのリスクの高い集団であると我々としては考えた」

調査委員会は大津高校に対し、いじめ予防教育やいじめの情報を早期に発見できる体制を構築するなど、サッカー部の特色を踏まえた対応をすることを提言しました。

調査委員会の報告を受け、被害を受けた元男子生徒と母親が会見を開きました。

■被害を受けた元男子生徒
「調査報告書がひと通りまとまったのは安心した部分が大きい。全然納得できていない部分もあったのが本音」

一方で、問題発覚後に「知らなかった」と話した指導者の対応などや、当時学校側が行った再発防止策に対しては不満を示しました。


■被害を受けた元男子生徒
「学校がすぐ手をつけられるような対策ではこの環境は変わらない。もっと上に立っている先生たちが変わらないと環境も変わらないと思います」


調査結果を受けて大津高校の浦本清隆校長は「職員一同でいじめのない学校づくりについて改めて検討して進めていきたいと考えております」と会見で述べました。


(10/31 20:10 熊本県民テレビ)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)