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「父親は"現役"のがんファイター」脳腫瘍とたたかうビーチサッカー選手(熊本県)



もし病院で重い病を宣告され、医師から『5年を目標に…』と言われたら日々をどう過ごしますか?中原勇貴さんは5年前、脳腫瘍を患うも今もプロのビーチサッカー選手としてプレーを続けています。病気が分かってからまもなく5年。中原さんの今の思いを聞きました。



熊本市に住む中原勇貴さん(34)、一児のパパです。笑顔が印象的な中原さんですが秘めた思いがあります。

■中原勇貴選手
「本当1日ゆっくり過ごす時間もないぐらい、何か起きてたし、何かあったりしてたんで、いやもう本当一瞬でしたね、この5年も」

中原さんが「5年」と話す、そのワケは…

■熊本大学病院 脳神経外科・武笠晃丈教授
「下は去年ですけどね、去年と比べても特に広がってはいないようですよね。ということで変わりなしっていうことですね」


約5年前の2021年2月、中原さんを襲ったのが悪性の脳腫瘍「グリオーマ」でした。国立がん研究センターによりますと脳腫瘍といった脳・中枢神経系のガンの診断数は2021年で5741例。5年相対生存率は約36%です。

■中原勇貴選手(2021年10月)
「いつ再発してもおかしくなくて1日1日を大事に毎日過ごしています」



熊本国府高校サッカー部出身でビーチサッカーの日本代表にも選ばれた経験のある中原選手。当時は手術で腫瘍の95%ほどを切除し、抗がん剤治療をしながらプレーすることを選択しました。その後、舞香さんと結婚、子どもも産まれました。前回の取材の時は生後3か月だった息子の都禾くんは2歳に。

■中原勇貴選手
「俺がサッカーしてるとこ見てから、キックキックキックで応援してくれたりとかもしてくれるんで」



■妻・舞香さん
「結婚っていうのも思い描いてた中、脳腫瘍っていうのが分かって、仕事中も泣いてしまったりとか。両親もやっぱ人って誰にでもいつ何が起こるかわからないから。後悔のないようにって」

抗がん剤治療は終わったものの今も定期的に検査を受けています。主治医の武笠医師は当時、中原さんに「5年を目指して頑張ろう」と声をかけました。もうすぐその5年を迎えます。


■武笠晃丈教授
「良好ですかね。特に変わりがないと思うので。5年再発していないっていうのはまずは経過としては順調な方だっていうのは間違いないと思いますね」

Q.病院にはどんなお気持ちでいる?
■中原勇貴選手
「ドキドキしますし嬉しいですね」

中原さんが所属するアヴェルダージ熊本BSは9月の九州リーグを全勝で優勝!11月1日から沖縄で始まる日本一のクラブチームを決める大会へ弾みをつけました。

■中原勇貴選手
「アヴェルダージ熊本BSは日本一を取るっていうのが一番の目標なので、沖縄の大会はしっかり日本一取れるようにみんなで頑張ってます」

来年の1月には新たな家族が増える予定の中原家。病魔に屈することなくこれからも戦うパパとしてビーチサッカーを追い求めます。

■中原勇貴選手
「脳腫瘍の患者さんって意外と多くて自分の姿を見て、ものすごい『勇気をくれてありがとう』とか言ってくれるので、練習もきついですし、練習行きたくないなと思うことがたくさんあるんですけどひたすら頑張るしかないですかね」


(10/30 20:07 熊本県民テレビ)

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