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"出会い"を行政がサポート「クマリ―」成立カップルを取材(熊本県)



未婚や晩婚化が加速しています。その現状を打破しようと行政がある取り込みを始めました。取り組みの名称は「クマリー」。どういうものか取材しました。

突然ですが、街行く人に尋ねました。パートナーは、いますか?

■街の人
(20代男性)「いないです」
(20代女性)「こっちはいます。(私は)いないです」
(20代男性)「今はいないですね」
(20代女性)「出会いはないですね、あんまり」


未婚や晩婚化が加速。熊本市の出生数も年々減少しています。10年前に比べると約1800人も減少しています。そこで、熊本市は近隣の12の市町村と連携してある取り組みを始めました。それが「くまもと出会いサポートセンターKumarry(クマリー)」。一体どんな取り組みなのでしょうか?



■熊本市こども局・渡辺百絵華さん
「結婚を希望する独身者の出会いを応援するため、令和7年1月に熊本市と近隣市町村が共同で開設した公的な相談窓口です。令和7年7月27日時点のマッチング会員登録数は1104名。真剣交際成立数は44組となっております」

クマリーを利用して、実際にカップルになった土井祐介さん(29 ※どの字は土の右上に点)とアキさん(30)です。

■祐介さん
「元々、結婚相談所とかはじめから結婚願望があって、結婚したいなぁと思って(婚活を)していたんですけど」
■アキさん
「人づてに紹介して頂いたりして、個人でお見合いとかしていたんですけど、なかなかやっぱり…」

結婚相談所に登録するもご縁がなかった土井さん。そして知り合いの紹介で出会いを探すもご縁がなかったというアキさん。そんな2人が初めて出会った日。熊本市内のクマリーに協力している飲食店で、サポーターと呼ばれる世話役の方と3人で会うことになりました。



■アキさん
「ちゃんと誠実に受け答えしてくださる方だなとういうのが私の中で好印象だったので」
■祐介さん
「(結婚までの)時間感もあっているし、楽しめることも合っているから、相性が良さそうな方だなと」

クマリーに登録し、相手と出会うまでの流れを聞きました。

■熊本市こども局・渡辺百絵華さん
「まずはメールアドレスでお申し込みして頂き、その後ご自身のプロフィールやお相手に求める条件などをご入力いただいて仮登録完了となります」


その後サポートセンターのスタッフと面談。身分証明書や独身証明書などの書類を提出し、入会登録料を入金すれば登録完了となります。さらに7月からは、全国で初めてマイナンバーカードでの独身確認が可能になりました。これにより独身証明書を役所へ取りに行く手間が省け、登録しやすくなったのです。そしてクマリーではAIによるマッチング機能も。AIが相性の良さそうな人物を紹介してくれます。2人が合意すると、いよいよお見合いの日程を決めます。ここでもクマリーならではのルールがあります。

■アキさん
「一番最初は、必ずサポーターさんが同席するシステムになっております。そこのところは初めての方でも 安心して利用できると思います」



最初に会う際の場所は、クマリーのサポートセンターか協力する飲食店のどちらかを選ぶことができます。サポートセンターの時はセンターのスタッフが、飲食店ではサポーターと呼ばれるボランティアスタッフが立ち会ってくれます。

■サポーター・鳥居昭子さん
「心がけていることは、自分の息子や娘と思って、時には厳しく愛情を持って接しております」

■アキさん
「(サポーターさんは)私にとっては、見守ってくれる親戚のような。当日初めてお会いする方ってどうしても緊張すると思うんですけど、その時に何を話したらいいかなとか、そういうのを気軽に相談できる相手として、すごくサポーターさんが力になってくださった」



また料金も結婚相談所やマッチングアプリに比べて安く、婚活における経済的負担を抑えられたそうです。

■祐介さん
「クマリーさんであれば2年で1万円ってことで」
■アキさん
「(行政が行なっているので)安心感はあります」

婚活のプロとして全国各地で婚活イベントをプロデュースする荒木直美さんも、アンバサダーとしてクマリーをサポートしています。



■婚活アドバイザー荒木直美さん
「婚活界の瞬間接着剤とか言われていますけど、日本全国いろんな所に行ってね、やっぱり若い人たちが出会いが無いって言っているんですよ。その出会いを供給するとても良いサービスだと思う。家と会社の往復に出会いはないんですよね。出会いのある場所に自ら足を運ぶこと。これがライフデザインです」

クマリーで出会い、交際を始めたドイさんとアキさん。これからのビジョンを聞きました。



■祐介さん
「今年中には結婚しようかなと思っております」
■アキさん
「一緒に夫婦になって今後頑張って生活していきます」

【スタジオ】
(永島由菜キャスター)
なぜ行政がここまで出会いのサポートの事業に取り組むのでしょうか?

(緒方太郎キャスター)
どの市町村も課題としているのが「少子高齢化」です。ある町の担当者は、独自で婚活イベントをやってきたけれども、思うように人が集まらずにうまくいかなかったため、広域でのサポート事業に参入することにしたということです。取材当時、祐介さんとアキさんは交際2か月だったのですが、8月末にご結婚されたそうです。クマリーでの成婚第1号とのことです。

(09/02 20:09 熊本県民テレビ)

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